消火栓の絵を描くとしたら、何色に塗るだろうか。 一般的には赤だろう。 都市部では、地下のマンホールに埋められている消火栓が多いが、積雪のある地方では、冬季間使用できなくなってしまうので、道路わきなどに赤い消火栓が立っているのを目にする。
そんな、郵便ポストと同じくらい「赤」のイメージが強い消火栓だが、北海道の小樽市では、どうやらちょっと違うことになっているらしい。
(工藤 考浩)
日本にひとつの交差点
まずは下の写真をご覧いただきたい。 一見なんの変哲もない、雪国の交差点に見える。 しかし、この交差点は日本で(おそらく)たった一ヶ所しかない、変わった交差点なのだ。
なにが変わっているのかというと、実はこの交差点から3種類のちがった色の消火栓が見渡せるのだ。 その様子をパノラマ写真にした。
いろんな色の消火栓がある街
この交差点は北海道小樽市にある。 小樽は北海道では古くから栄えた歴史のある街で、運河や歴史的建造物などの観光資源が有名だが、じつはもうひとつの隠れた名物がある。 それが消火栓だ。
とはいうものの、僕もどうやら小樽の消火栓はめずらしいようだ、というのは最近聞いた話しで、今回初めてその様子を目にするのだ。
坂の多さが関係している
小樽の消火栓が色とりどりなのは、この街の地理的条件が関係しているらしい。 小樽は坂の多い町だ。 有名な小樽運河のある海沿いを中心にして、ぐるっと山に囲まれている。 そんな街並みも小樽の魅力のひとつなのだが、その高低差が消火栓を色分けした大きな理由なのだという。
あ、黄色だ
小樽駅から市街地に歩いてゆき、最初に目にしたのが黄色い消火栓だった。 黄色の消火栓というのは、他の地域でも見かけたことがあるのでさほど珍しいものではない。 けれども小樽の消火栓は5種類に色分けされているのだ。 その理由を小樽市消防本部に行き、話を伺った。