vol.75 わしづかみいも

めずらしい郷土料理の多い埼玉県においてもユニークな料理が多いことで知られる日高地方。このコーナーでも何度か取り上げた地方です。

今回ご紹介するのは、地元で秘密の料理として語り継がれていた1品。調理を終え、食べるところまでがレシピといっていいほど、食べる作法に重きが置かれた料理です。




材料: じゃがいも いくつでも 
調理時間: 5分

カロリー:

118kcal
(中サイズ140gのジャガイモ1つ)

作り方

1・

品種はなんでもかまいませんが、蒸かして食べるのにおいしい種類のジャガイモを選ぶとよいでしょう。

よく洗って、芽をとります。

2・

柔らかくなるまで蒸かします。

3・

熱いうちにきれいに皮を取り、熱々のものをわしづかみにして丸まるひとつ頬張りましょう。

熱々のものを食べるのが基本ですが、初めてのうちは口を火傷しますので、冷ましてから食べてもいいでしょう(そのうちに火傷しなくなりますので、徐々に熱さを調節してください)。

4・

「ヒーッ! こりゃあ熱いっ!」

と声に出しましょう。慣れてくると熱さは感じなくなりますが、こうして声に出すことが大切です。

6・

食べられるまで次々とわしづかみにして口にほおばります。

お代えのジャガイモはどんどん蒸かすようにしましょう。

おなかが一杯になった時点で「熱い熱い、かんにんかんにん」と言ってたら、おしまいです。


わしづかみいもは、その名のとおり、芋をわしづかみにして食べることからそう呼ばれています。

特別めでたい席などで食べるのではなく、日常的に食べるものです。どうして熱々のものを大量に食べるのかは分かっていませんが、豊作のジャガイモを余すことなく食べようという思いから、という説があります。

「熱い熱い、かんにんかんにん」と言うまでおかわりが出てくるのは、わんこそばのルーツになっているのではとも言われています。

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この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です

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