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ひらめきの月曜日
 
酒粕料理で酔ってみる

やはり酒粕はそのままではちょっと食べづらい。ならば料理して食べてみるということで7品目調理してみました。既に酒粕で酒の香りを感じまくっているこの日は飲酒気分。じゃなかった。酒粕料理を食べたい気分が絶好調。次々に食べて計測していきます。

 

エントリーナンバー1番 甘酒

まずは甘酒を飲んでみます。もち米を麹で発酵させて作るやりかたは結構手間がかかりますが、酒粕を使えばお湯に溶かして砂糖と生姜を加えるだけ。とても簡単。


酒粕をちぎってお湯にいれます。
溶けてきたら味をみつつ砂糖と摩り下ろした生姜を投入。柔らかく暖めていきます。
熱いうちに頂きましょう。
飲んだ直後に計測するとこんな数値が

飲んだ直後に測定すると泥酔状態の数値が出てしまいました。緩やかに加熱したので結構アルコール分が残った模様。しかし、カップ1杯飲んだところで酔った感覚は全くなし。口をよく濯いで10分ほどしてから測定したところ数値は0に戻っていました。

酒のいい香りと程よい旨みに砂糖の甘さ。生姜の風味がいいアクセントとなって美味しいです。酒の香りはするものの酒まんじゅうの感覚で、酔うというよりオヤツ感覚でした。次の料理にいってみましょう。

酔えそう度

☆☆
オヤツ度 ☆☆☆☆☆
本当の酒が欲しくなる度

 

エントリーナンバー2番 粕汁

粕汁は味噌汁の味噌の代わりに酒粕を入れたようなもの。根菜類や塩漬けの魚などをダシで煮て最後に酒粕を入れれば出来上がり。これも簡単に出来ます。


里芋、ニンジン、タマネギ入り。後に出てくる粕漬けも入っています。
甘酒の計測待ちで少し冷めてしまったが旨い!

器1杯分食べています。甘酒ほどでは無いですが、食べた直後だと僅かに呼気中からアルコールが検出されました。やはり口を濯ぐと0に戻る。少し時間を空けてみましたが特に酔った感じは無く、計測値も0のままです。

酒粕の風味が粕漬けの魚や根菜の旨みを引き出していてこれも美味しい。酒粕は塩魚と合います。少しご飯が欲しくなりました。

酔えそう度

☆☆
ご飯が食べたくなる度 ☆☆☆
本当の酒が欲しくなる度 ☆☆

 

エントリーナンバー3番 キムチ酒粕

続いては酒粕をちぎってキムチと混ぜてみました。酒粕だけだと独特の味がつらくなってきますが、キムチぐらい辛いものと合わせれば行けるのではという思い付きから製作。


手でバサバサちぎって混ぜるだけ。
見た目は酒粕が入っていると分らない。

 食べた直後に測定してみると、酒粕を直接食べた時より少し低い数値が計測されました。キムチに入っているとはいえ、加熱も何もしていない酒粕そのままなのでそうなるのでしょう。やはり口を濯ぐと数値は0に戻ります。

キムチに入れた酒粕の風味はキムチの香りと辛さに隠されてあまり感じません。強いて言うならかなり柔らかめのモッツアレラチーズ入り?なかなか美味しいですが、これなら酒粕を入れても入れなくてもさほど代わらないのでキムチのままでいいかも。

酔えそう度

☆☆
キムチの香りは凄い度 ☆☆☆☆☆
本当の酒が欲しくなる度 ☆☆☆

 

エントリーナンバー4番 酒粕のせバケット

お次はフランスパンを厚めに切ってオリーブオイルを塗って塩と黒コショウを振り、その上から酒粕を塗りつけてオーブンで焼きました。焼きあがったら小ネギを散らしています。


酒粕は焦げやすいので先に少しパンを焼いてから酒粕を塗って再び焼いてもいいです。
そろそろお腹にたまるものが食いたかったんだよね。

 1個食べた直後の測定ではアルコールは検出されませんでした。少量なのと、高温で焼いているからアルコール分が飛んでいるのかもしれません。口を濯いでしばらくたってからも0のままでした。

酒粕を焼くとチーズ的な風味が感じられるので、こうすると日本酒だけでなくワインのツマミにもいいかもしれません。いずれにしろちょっとお腹にたまって酒に合う味です。

酔えそう度

お腹にたまる度 ☆☆☆
本当の酒が欲しくなる度 ☆☆☆☆

 

エントリーナンバー5番 板粕カナッペ

通常カナッペと言うとクラッカーや一口大に切った食パンなどにチーズや卵などをちょこっと乗せて作ります。板粕を切り分けて焼いたらクラッカー風にならないだろうかと思って作ってみました。


切り分けた板粕。綺麗に四角く切れます。
これをオーブンで焼きます。焦げやすいので注意
焼きあがった状態。まだ少ししっとりしている。もう少し焼いてももいいかも。
鰹の酒盗と明太子を乗せ、その上から小ネギを乗せます。

 こちらも食べた直後に計測値は0。口を濯いでしばらくしてからも0でした。オーブンで焼くとアルコール分が飛んでしまうようです。

焼いた板粕はしっとり柔らかく、淡いチーズのような風味を感じます。それに酒粕の甘みが後からくる。これは美味しい。我が家の酒の肴リストに追加です。明太子の方がバランスはいい。けど、酒には鰹の酒盗だろうか。

酔えそう度

酒の肴に最適度 ☆☆☆☆☆
本当の酒が欲しくなる度 ☆☆☆☆☆

 

エントリーナンバー6番 イカの酒粕味噌和え

 続いてダシで伸ばした酒粕に味噌を等量ぐらい混ぜます。それに細く切ったイカの刺身を入れて混ぜ合わせる。最後に小ネギを散らしてイカの酒粕味噌和えです。粕汁を作る際に残ったダシで伸ばした酒粕を使ってみました。


残り材料の流用。酒の風味の味噌味。
おっ、とうとう変化が!

 ダシで伸ばして加熱していない酒粕なのでアルコール分が結構残っていたようです。食べた直後はそのままで食べる場合の半分ぐらいの数値が計測されました。そして口を濯いでしばらくして計測すると0.06mg/lと数値が出る。とうとう酔い始めたのか!
けど、ほろ酔い感覚などありません。最初のものを食べてから1時間近く経っているので、アルコールが吸収されてきたのかもしれません。

ダシの味、味噌の味、酒粕の味がうまい具合に合わさり独特の旨みが出ています。そこにネギの風味が加わってうまくバランスをとっている。更に生姜を擦り入れてもよかったかも。とにかく日本酒の欲しくなる味でした。

酔えそう度

☆☆☆☆
イカ旨い度 ☆☆☆☆☆
もういい加減飲んじゃおうか度  ☆☆☆☆☆☆

 

エントリーナンバー7番 鮭の粕漬け

こちらは酒粕を購入した際にすぐに仕込んでおいたもの。酒粕3に対して味噌を1ぐらいの割合で混ぜ合わせ、酒とミリンで柔らかくして粕床を作ります。そこへ魚の切り身を2、3日埋めておけば醸されて驚くほど旨くなります。


粕床の一部を容器の下に敷き詰めます
残りを上から被せたらあとは冷蔵庫で保存。
粕を払って焼きます。つけたままでも可。焦げやすいので注意
醸された味がまたなんとも。もう飲んじゃおうかなー

食べた直後に計測した数値は先ほどと同じ0.06mg/l。しかし、口を濯いでしばらくしてから計測すると0に戻っていました。なぜ?やはり口の中に少し残留していたのか?それとも微量なので出たり出なかったり?実際あまり酔った感じはしません。粕漬けもアルコール感はほとんどない。旨みが引き立つ感じです。これで酔うことはなさそう。

いずれにしろ、そのままの魚を焼くよりも粕漬けにしたものを焼いたほうが、旨みが増えて奥深い味わいになる。日本酒が凄く欲しくなります。どうしよう。

酔えそう度

旨み増えている度 ☆☆☆☆☆
飲んじゃえばいいじゃん度  ☆☆☆☆☆☆☆

 

もう止められない

酒粕料理を食べたり休んだり。そんなことをして2時間近く。特に酔った感じはなく、数値も結局0のままでした。食べた量が少ないのか、加熱してアルコール分が少なくなっているのか。

食べた直後には計測されるので、アルコールは間違いなく含まれているようです。ならばある程度の量を食べればいずれは検出されるはず。しかし、この酒粕料理を食べていると無性に日本酒が飲みたくなる。

もうこの気持ちを抑えることができません。こんなこともあろうかと酒粕を購入する際にこちらも購入しておきました。


白龍純米酒、獺祭純米大吟醸48しぼりたて生、臥龍梅純米吟醸袋吊り雫酒。 酒粕から搾り出された本体!これを待っていた!

 購入した酒粕の蔵の日本酒を購入しておきました。粕だけでなく本体も味わいたいですよね!酒粕だけの寸止め状態はもう終わり。酒粕料理で本格的に酔いますよ!さあ、行ってみよう!


撮影係の妻も加わり乾杯!

やっぱり日本酒はいいねー

 酒粕料理はどれも日本酒に最適。臥龍梅は芯があってしっかりとした旨みを感じながらもサラリと切れる後味。粕汁やイカ酒粕味噌和えと合わせてみる。獺祭は華やかな香りで入り、米の旨みが後からゆっくり広がって細く伸びていく感じ。酒粕のせバケットや板粕カナッペと合わせてみました。グイグイ酒が進みます。


もう止まりませんよ!

やはり料理は酒と一緒がいいね!

あっという間に酒酔いレベルの数値に!

それっ!酒瓶二段返し

お次はこれか。深くコクのある旨みにスッキリとした後味だ。ぬる燗にしてみるのもいいなあ・・・

いいなあ・・・

いいなあ・・・

いい・・・

まあ、こうなりますよね。いつの間にか撮られていた。

アルコール分が含まれるのでご注意を!

今回は酒粕料理を食べただけでは酔うという状態にまでに行きませんでした。しかし、酒粕にアルコール分は含まれていることは確かなので、車を運転される方などは摂取に十分気をつけてください。
また、今回の試みに関して、測定方法は医学的なものなどに正しく基づき行っているものではなく、測定機器も簡易なものなので参考程度に見てください。

 ともあれ、酒粕料理はとても美味しい。酒粕は冷蔵されて年中手に入りますから是非ご家庭でも酒粕料理を楽しんでみてください。あまり子供向けではないので、大人の楽しみということで。
それと、調子にのって飲みすぎるのは家でもあまり良くないです。気をつけましょう。

触っちゃ駄目だぞ!酔っ払いは静かに放っておいて。

 
 
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