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はっけんの水曜日
 
本を逆さに読むと頭がよくなる気がする

やっぱり「手芸」で行こう!

とりあえずの「ライトステッチ装置」ができて、なんだかうれしく、指をくっつけては「わー光る!わー!」と喜んでいたら、そのうちに接触が悪くなってきた。電池をそのままビニールテープでぐるぐる巻きにしていたからだ。


こんな適当な工作だったのだ。

そら、接触も悪くなろう。ハァ接触も悪けりゃ頭も悪い。

少々テンションが落ち、装置を部屋の片隅にしばらく放置。視界の隅にいつも装置があるものの、「さてどうしたものか・・・」と日々見てみぬフリして過ごしていた。そんなある日、荷物が届いた。

前々から興味のあった「Lilypad」(正式名:Lilypad Arduino)というコンピュータだ。


文字通り、お花のようなメインボード。

詳しいことは省くが、このLilypad、はんだ付けでなく導電性の糸で「縫って」配線できるコンピュータなのだ。

専門的なプログラミングの知識も不要、と聞いているので、ぜひ一度使ってみたいと思い、購入しておいた。なのでいつかはこれ主体に記事を書くかもしれない。

ということはさて置き、とりあえずメインボードは今回出番は無し。LED部と電池ユニット、そして導電糸だけ拝借し、なんと一から作り直すことにした。


新たに糸と針と毛糸の手袋、そしてアルミ板を投入。 おお・・・私は今コンピュータを縫ってつなげている・・・

「クロスステッチ」のイベント用、ということもあり、「縫って作る」というところにステッチとの親和性を感じ、気持ちが落ち着く。そしてたぶん配線も、シンプルで安定したものになるのではないか。なんたって縫うことには慣れているのだ。

普通「縫う」ということで実現できるのは「見たままの実用性(ボタンがつく、袖がとれない、など)」そして「見たままのデザイン(刺繍しかり、ぬいぐるみの表情しかり)」であろう。しかしこの場合、「縫う」ことで電気が通り、なんとLEDを光らせることができる!(そして今回は使ってないが、コンピュータによってその動きに変化をつけられる!)

そんな興奮をじわじわと感じつつ、仕組みとしては実に単純だが、うれしい装置ができあがった。「ライトステッチてーぶーくーろー(あのネコ型ロボット口調で)」


指が「千と千尋・・・」のカオナシのようである。

LEDは1個でいいのが何より(これで赤・青・緑を兼ねる)

詳しい説明は省くが、単純に電池の「+」「−」を、LEDの「+」「−」と合うように配線し、指の先端で配線が途切れるようにしてある。そしてそこにはアルミ板を接点として縫い付けてある。

親指(−)と、各指(+)を接触させれば、その各指に配線されている色のLEDが点灯するのだ。


「OK」(人差し指)なら緑が点灯。 中指で青が点灯。

薬指で赤、点灯。 よって「きつね」なら(中指と薬指)混ざって紫に!

「わーい!電子手芸だ、わーい!」とカチカチ点灯させてしばらく遊ぶ。それなりのものができて満足なんだが、本当に大変なのはこれからなのだ。「ライトステッチてーぶーくーろー」を使って、闇に刺繍をせねばならない。ヤミステッチである。

NO GRID、NO STITCH!

まずは割り合い簡単と思われる(あとでそれはとんでもないとわかる)「非常口」を、うちの玄関に浮かび上がらせてみよう。と、いきなり何の確証もなくやってみるのが私のいいところであり、その倍以上悪いところでもある。

まあ、とにかくやってみるべ。 元の絵です、覚えておいてください。

カメラのシャッタースピードを30秒ほどに設定し、玄関の電気を消して、左上隅から横へ一気に「××××××××・・・!」


ドガジャーン! ボコベーン!(あ、ちょっとはマシか)

穴だらけの、すさんだ金網みたいになった。

何回もトライするが、やはり難しい。光の軌跡は人の目には当然残らない。1段目はまだいいが、次の段に下がってくると、もうどこに線を描いたらいいか、ほとんどあてずっぽうもいいところだ。

とてもじゃないが、フリーハンドで空中に図案を浮かび上がらせるのは困難とわかった(割と最初からわかっている)。こうなったらグリッド(格子)だ。とにかくグリッドを用意するのだ。でもどこに?


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