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はっけんの水曜日
 
メリケン粉からガムを作ってみた

■ちょっと作戦変更

普通の料理だったらまだしも、「代用ガム」すら作れないとなったらいい笑いものなので、なんとか完成させたいところ。

ということで、ちょっと作り方を工夫することに。

粉の状態のまま直で水をかけるから流れちゃうのであって、塊にしてからなら水をかけても大丈夫なんじゃないだろうか?

バケツにメリケン粉をぶちこんで……
こう見ると校庭に線をひくあの粉っぽい

少しだけ水を加えてこねていく

ぐにぐにぐにぐに……

ただの粉だったメリケン粉が、だんだんと塊になっていくのは微妙な達成感があって妙に楽しくなってきたぞ!

もちろん事務所内ではみなさんお仕事中……

がぜん楽しくなってきたのはいいけど、よそ様の事務所でデスクを占拠して一心不乱にメリケン粉をこねくり回してる大人ってどうなんだろ? ……ホント、ご迷惑おかけしました。

しかし、おかげさまで粘りが出てきたぞ! ぐにーん!

だいぶガムっぽくなってきたな〜……と思ったものの、冷静になって考えたら、これはまだただのメリケン粉の塊だ。

工程的にも、この段階ではパンと同じだと思う。これをやってる姿を見かけても、ガムを作っていると思う人は誰もいないだろう。……まあ、事務所でパンを作ってる人も滅多にいないだろうけど。

ほいっ、いい感じで塊になったんじゃないかな。

それでは再び水をかけてみよう。

ジャー! ジャー!

さすがに塊になったメリケン粉は水をかけても流れてはいかない。そして、水をかけた部分だけ質感が変わってくるのがなんとなく分かるのだ。そこからデンプン成分だけが流れ出している感じ。これは成功なんじゃないの?

このように、水を流しながら洗うようにもみほぐし、水の濁りがなくなれば完成ということなんだけど……、これがいっくらやっても濁りがなくならないんだ。

どれくらい続ければいいもんなのか……?

春も近づいたとはいえ、まだまだ寒い時期。水に延々手を浸しているのは本当にツライ! 手がもう真っ赤っか。こんな思いまでして作らなきゃならない物なのか? ガムなんか。

だいぶ質感が変わってきた気が……

なんだかブツブツ感のある変な物体になってきた

ギューッと絞って……

ちょいと凍傷になりかけながらも、メリケン粉の塊に水をかけ、もみ洗いすること約30分。

ほとんど水がにごらなくなったし、なにより塊の大きさがだいぶ小さくなった! それだけデンプン成分が流れ出したということだろうか。触った感じもかなり粘りが出てきているぞ!

……そして、遂に完成!

ジャジャーン、これが代用ガムでーす。

……って、ガムか? コレ。なんかボコボコになってて巨大なカリフラワーにも見えなくもないし……。

「美味しんぼ」の中での描かれ方から、漠然と透明でネバネバした物体を想像していたんだけど、それとはかなり印象の違うものが完成……。やっぱり白黒で印刷された漫画からだけじゃ分からないことっていっぱいあるね。

代用ガムの完成型って見たことがないので、これが正しいのか間違っているのかも分からないんだけど。まあ、これで完成っていうことでいいじゃない。手がちぎれそうなほど痛くなっちゃってるし。

■肝心のお味は?

さて、いよいよ実際に噛んでみたいと思うのだが、こうやって小さくちぎってみると、ますますガムだかなんだかワケの分からない物体に。巨大なハナクソに見えないこともないし……。これを口に入れるっていうのは結構な勇気が必要だぞ。

なかなか口に入れる覚悟が決まらないので、とりあえず伸ばしてみることに。……おおっ、伸びる伸びる! これはガムっぽい!

それでは、いよいよ食べてみましょうか。

覚悟を決めて……

パクッ

むぐむぐ……

正直、代用ガムを噛んだ結果↑のように「ウギャーッまずーい!」というオチがつけられるな……と思ってはじめた企画だったんだけど、実際噛んでみたら別にまずくはなかった……というか全然味がしないのだ。

たとえるならば、一時間くらい噛み続けてすっかり味がなくなってしまったガムっていう感じ。噛み心地もちゃんとガムになっているし。代用ガム、侮りがたし。

「美味しんぼ」の中では 「こんな物がガムの代わり……なんてみじめだったんだ……」と涙を流すくらいまずい物として登場していたのに、これだったら全然普通に噛めるよ。

……うーん、あんまりインパクトのない終わり方になっちゃったな。


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