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不安な土曜日
 
愛と哀しみの五右衛門風呂

五右衛門風呂を待ちながら

待合室と言ってもテーブルと椅子が2脚あるだけのスペースだ。特につい立てのような物もなく、入って来る人たちから丸見えである。

305号室が空くまで、誰も入って来なければいいのだが…。
不安だ。


待ち合いスペース

座りづらい椅子

テーブルの上にテレビがあったので電源を入れた。「ミヤネ屋」がやっている。久しぶりに見たら宮根さんが坊主頭だ。

なんでだろう?


ミヤネ屋を見ながら

こういう時間にこういう場所でミヤネ屋を見る。何だか後ろめたい気持ちでいっぱいだ。コメンテーターの梅沢富美男さんから画面越しに怒られそうである。

梅沢さんが怒ったら怖そうだなぁと想像していたら、恐れていた事態が発生した。
ブィーンと自動ドアが開き、年配のカップルが入って来たのだ。


年配のカップルが入って空き部屋は1部屋に

年配のカップルは僕の姿を見て一瞬帰ろうとした。満室で僕が待っていると思ったのだ。女性の方がパネルに気付き空き部屋があることを男性に伝え、2人は急いでパネルの方に歩いていった。

これで残り1部屋である。

平日の午後2時過ぎに、ほぼ満室状態。
一体この国はどうなっているのか?


ウエルカムドリンク

フロントの側に「ウエルカムドリンクコーナー」があるのを見つけた。1人1杯まで無料である。

ウエルカムドリンクのアイスコーヒーを飲みながら、再び宮根さんの坊主頭の理由を考える。何かの罰ゲームだろうか?

そういえば、大人になって初めて坊主頭にした時、理髪店のおばさんから「すぐに生えるから大丈夫よ」と慰められた事を思い出した。あのおばさんは僕が何か悪い事をしたと思ったのだろう。ファッションなのに。


満室に

結局、1時間近く待って305号室が空く事はなかった。その代わり、待っている間に今度は若いカップルがやって来て満室になってしまった。

一旦事務所に戻ってから、サービスタイムが終わる頃にもう一度来ることにした。




夕方リベンジ

サービスタイムが終わるのは19時である。少し余裕を持って30分前くらいにホテルに入る事にした。

再び円山町に向かう。


円山町、18時半

夕方の円山町はさっきまでとは随分雰囲気が違った。だんだん街が本気を出して来ている。もちろんカップルの姿も目立つ。

急いでBeat WAVEの中に入っていった。


まだ埋まっている

空き部屋はたったの3部屋で、305号室は埋まっている。しかし、サービスタイムはあと30分で終わる。フロントに電話をかけて305号室の状況を確認した。昼間のカップルがまだ「休憩」しているようであれば、あと30分で出なければいけない。

電話口にはさっきと同じ男性が出た。
305号室の状態は?

「すいません、30分前に新しいお客さんが入っちゃいまして…」

がーん!
五右衛門風呂、大人気である。

一旦事務所に戻って仕事をして、仕事帰りにもう一度来よう。





 

 
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