かっこいい鎧姿の方が3名、来場客との記念撮影に応じているではないか。お三方とも立派な鎧を身にまとい、そしてヒゲがふさふさ。聞くと、この前日に行われた「こいひげコンテスト」なるものの入賞者のみなさんであるらしい。
鎧とヒゲはよく似合う。新たな発見をしつつ、一緒に写真を撮ってもらう。溶け込んでいる自分がうれしい。
撮影のあと、眼帯の方から「どちらの隊ですか?」と聞かれる。えっ?隊?
そう、この祭りでは実在した武将が率いる隊が構成されており、夕刻から街を練り歩くことになっているのだ。勝手にやってきた私は、もちろん隊に所属などしていない。 せっかく鎧のみなさんと打ち解けたのに、この質問によって再び孤独が浮かび上がる。
「いや私、実は観光客で…。趣味で鎧を着てるんですよ」と答える。鎧のみなさんは「えっ!じゃあそれって自前ですか!」 「それはすごい!」「すごいなー」と、驚きと戸惑いを隠さない。
「すごいなー」って、どういう意味なんだろう。意味がわからないとき、なんと言っていいかわからないときに、人はとりあえず「すごいなー」と言うと思う。今回もそういうことなんだと思う。 |