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ひらめきの月曜日
 
今昔ミルクスタンドめぐり

あたたかいものも飲みたくなってきました

同じ秋葉原駅、5番線ホームに移動してみた。たしかこちらにもミルクスタンドがあるのを見かけた覚えがある。


ばっちりと「ミルクスタンド」

6番線の店が「ミルクショップ」と名乗っていたのに対して、こちらはストレートに「ミルクスタンド」。やはりこの名前だと安心感がある。

タイル状の意匠がなんとも言えない雰囲気をかもし出している。現物が並ぶ冷蔵ボックスが前面に出ているのも特徴だ。


「パンと牛乳の店」という説明もかわいい
現物がよく見て取れるディスプレイ
気になる飲み物たちがひしめく
さっきの飲んだカルパワーは一番はじっこにたたずむ

「冬人参ジュース」や「あかずきんちゃん」など、ネーミングにインパクトがある飲み物たちも押してくるこの店。どれも愛らしくてなかなか決められないので、これまでと同様に売れ筋とレアとを聞いてみた。


レアドリンクは「ラクトフェリンFe」

レアドリンクとして出してもらったのは「ラクトフェリンFe」。確かに見たことない。

ラクトフェリンは、免疫力を高めたり抗菌作用があったりすると言われているらしい。また関節系ドリンクが来たらどうしようかと思っていたのだが、なんとか脱関節を図ることができたようだ。

高まれ俺の免疫力。飲んでみると、かすかに鉄っぽい味がする。


かわいい鉄

「Fe」というのは元素記号のままに鉄を表していて、原材料名のところは「ピロリン酸鉄」との表記が。ずいぶんかわいらしい響きの鉄だ。


シンクロするご夫婦とおぼしき2人
もうひとつのチョイスはホット甘酒

売れ筋の方も聞いてみたのだが、店員さんはしばらく考えたあと、「どれもよく売れるから選べないなあ…」との言葉。真剣に考えてくれた末のその言葉に、牛乳たちへの愛を感じた。

ではここでは自由に選んでみよう。そう思って手に取ったのは、ホット甘酒。どちらかというとレア系に入るのかと思ったが、お店の方は「甘酒も大人気だよ」とのこと。そうなのか。


ゴクゴクとは飲めないが、うまい
瓶のデザインがかっこいい

実のところ、ホット甘酒を選んだのは冷たい牛乳系ばかり飲んで体が冷えてしまったから。結構あったかいのでミルクスタンドスタイル の角度でゴクゴク飲むことはできないのだが、甘さとともに体にしみいる。

漢字がずらっと並ぶ瓶のデザインもクール。寿司屋によくある魚扁の漢字を並べたものにもちょっと似ている。

続いてやってきたのは、地下鉄飯田橋駅の連絡通路にある店。公式サイトで調べた限り、こちらもミルクスタンドであるとのことだったのだが…。


これはミルクスタンドなのか?
ロゴデザインは味がある

うーん、これはミルクスタンドと言っていいものだろうか。

駅によくある普通の売店と言った方が正確だと思えるような店構え。商品もパン類やお菓子など、種類いろいろ取りそろえている。飲料もあるが、ペットボトル系の方が多い。


瓶入り飲料は少数精鋭

いわゆるミルクスタンドで売っているような瓶飲料は、濃厚ゴールドとコーヒーのみ。ミルクスタンドと認定するには疑問が残るラインナップなのだが、店をよく見ていると気づいたことがある。


「牛乳売店」との文字が

店の詳細表示に、「牛乳売店」との文字があるのだ。名前としてはあくまで牛乳押し。

これは想像だが、昔はもっと牛乳のラインナップが充実した店だったのかもしれない。時代とともに商品を拡充して今のような店の様子になりつつ、名前だけは「牛乳売店」と残ったのではないだろうか。

実際、今回の記事を書くにあたってミルクスタンドの所在情報について調べたところ、ここ何年かの間に姿を消したミルクスタンドの話にいくつか行き当たった。 「ザ・ミルクスタンド」は過去のものになっていきつつあるのかもしれない。

懐かしい光景のひとつになりつつあるミルクスタンド。しかしその郷愁を逆手にとって、比較的最近オープンしたミルクスタンドもある。JR池袋駅の北口改札前にある「牛乳バー」がそうだ。


レトロかつ今風か

外見はスタンダードなミルクスタンドでありつつ、「牛乳バー」というネーミングは今っぽい。2007年のオープンというから、意図的に昔と今が交錯する雰囲気を狙っているのだろう。


種類自体はそれほどでもないか
その日の乳脂肪分を表示

牛乳の種類などは御徒町や秋葉原の店と比べると多くはないが、ずらっと並んでいるのは共通。紙パックにはない魅力を放っている。

そして当日の商品の乳脂肪分を大きく表示しているのも特徴だ。数字をどう判断すればいいのかはわからないが、こうしてアピールされるとなんだかおいしそうな気がしてくる。


ストレートな商品名

一押しする牛乳を月替わりで販売しているのも特徴だ。来訪当日は長野県・黒姫高原牧場の「うまい牛乳」。ひねりのないネーミングには逆に自信が読み取れて、おいしそうに思えてくる。


自然と腰に手が当たる
プラスチックのキャップに昔と同じスタイルの表記

飲んでみる。確かにうまい。

人通りが多いので、こんなところでこうして牛乳を飲むのはちょっと恥ずかしくもあった。その照れ臭さもなんだか新鮮で楽しくもあった。


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