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フェティッシュの火曜日
 
電池を復活させる3つの方法

ほんとに復活するの?

小学生のころ読んだマンガ(当時はやっていたミニ四駆のマンガだ)で、なぜだか妙によく覚えているシーンがある。

レース前に主人公たちのミニ四駆が電池切れを起こしてしまい、走れなくなる。絶体絶命のピンチ。しかし仲間内のハカセ的ポジションの人物が、こう言うのだ。「そうだ!電池を冷蔵庫で冷やせばいい!」。冷蔵庫でキンキンに冷やされた電池はみごと電力を復活させ、主人公はレースに勝つことができた。やったね!

 僕も大人だ、わかっている。マンガに突っ込み入れるのは野暮だと。でも今回、そういう企画だから言います。

それって、ほんとかよ。 

(text by 石川 大樹



 

乾電池製品って改めて探すとあんまりないですね。うちでいちばん消費電力の高そうなこれを使用。古い電子楽器です

単3電池6本使用。音出しっぱなしでだいたい6時間

電池が切れるとこの世の終わりみたいな表示が出る。(ここからさらに6時間くらいおくと、この表示も消えて完全に電池切れ)

ミニ四駆と私

当時はミニ四駆が大ブームで、なんとかエンペラーとかなんとかサンダーマウンテンみたいな名前のミニ四駆がたくさん発売されていた。(とはいえひねくれた子供だった僕は全然そこに乗っかってなかったので、今となっては商品名も曖昧にしか覚えてないし、サンダーマウンテンに至っては明らかにミニ四駆じゃないよな)

そのマンガが載っていたのはたしか、コロコロコミックだった。その頃はミニ四駆マンガだけで2、3本が平行して連載されていたように思う。僕は普段は読み飛ばしていたのだけど、ある日風邪をひいて学校を休んだとき、家で退屈のあまり、ちょっと読んでみたのだ。そこに載っていたのが冒頭に書いた電池が復活する話。「そんなことあるんだ!」と熱でボーッとした頭がかすかに興奮した。そしてこの低電圧な興奮が、僕のミニ四駆ブームに対する唯一の思い入れだ。

 

電池を復活させる3つの方法

幼少時の思い出を長々と書いてしまったが、なにも(電気だけに)伝記小説が書きたいわけではなくて、ここまではこの「(電気だけに)」を言いたくて書いた前フリに過ぎない。

今日の本題は、なくなった電池を復活させる方法調べだ。

個人的に心当たりのある方法は、次の2つである。

・電池を冷蔵庫で冷やすとよい

・電池を温めるとよい

正反対の2つの方法だ。温める方はどこで聞いた情報だか忘れたが、確かに聞いたことがある。そしてさらにネットで調べたところ、こんなのも出てきた。

・電池を+−交互に手のひらに挟み、両手でこするとよい

「+−交互に」のあたりがもっともらしいような、もっともらしすぎて逆にうさんくさいような説だが、これも実験してみよう。3つの方法で、どれがいちばん電池を復活させるだろうか?

 

まずは実験用電池づくり

さあ、よぶんな前フリで無駄に文章が長くなっているうちに、左の方ではもう実験が始まっているぞ。ゴールデンウィークを利用して、空のアルカリ電池を6本×3回、計18本作った。そして「復活させる方法」にしたがって保存する。


冷やすほうはラップに包んで
冷蔵庫にイン

温める方。カイロといっしょに
毛布にくるんでゴロリ

冷やす方、温める方、ともに約12時間ほどこの状態で放置した。このほかに、常温保存の電池も用意。次のページでは、実際にこれらの電池を使って、どれだけ電力が戻ったか調べてみよう。

 

 

 
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