フリスビーを越えて
さて、普段投げない物をといいつつ、フリスビーのディスクということに囚われて小さくまとまってしまっていた。 もっと色んなものを投げ飛ばそう。
思いのほか飛んだ座布団。頭の中で「THE・舞豚」という当て字が浮かぶ。 柔らかいし、子供にぶつけてもケガをする心配がない。とんだ伏兵、いや、飛んだ伏兵、もとい豚だ伏兵である。
ただ投げるだけではなく、ここはTHE・舞豚ならではの特性を活かした新たなフリスビープレイを試みたいところ。模索してみた。
模索した結果たどりついたのが「ばってん荒川」。自分でもどうかと思う。成功したら何ポイントなんだこれは。
妙技・ばってん荒川を2回ほどこなし、そろそろ限界のようなものを感じたので(膝ではなく心に)、とっておきのディスクを投げて閉めとしたい。
洗濯物は地面に落としてはいけない。その鉄則を破り、下着は今日、舞うのだ。
飛んだとかフォームが思いのほか美しいとかそういうことよりも、洗濯物を原っぱに放り投げてお母さんに叱られない、ということに感動したぼくは一気にテンションがあがり、カメラを固定して、しばし狂ったように洗濯物フリスビーに興じた。
さんざん遊んですっかり土で汚れた洗濯物。それを拾い上げたぼくは、ふと見上げた空の美しさに心を奪われた。
傾きかけた太陽。少し冷たくなった風。ぼくは「はっ」とした。 大変! 急がないと洗濯物が乾かなくなっちゃう!!
ぼくは走りだしていた。洗濯物を高くかかげて。
家に帰り、その日に撮影した写真と動画を確認したぼくは、熱いコーヒーを入れてそれをひと口飲むと同時に、 「なんだこりゃ」 と呟き、翌日、今度は四角い物干しを持ってもう一度草原へとでかけていった。 そうしてその結果、