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はっけんの水曜日
 
滋賀で紅茶を摘んで飲んだ
このティータイムに至るまでのお話です。


 1年前「滋賀で新茶を摘んで飲んだ」という記事を書いた。滋賀でお茶の木に新芽が出ているのに気付いて、摘んで緑茶にしてみたら美味しかった、という内容だ。

 また先日滋賀に行ったら、1年分成長したお茶の木が元気に新芽を出していた。よし、今年は紅茶だ。

 今回は、紅茶を作る過程と、そのあいまに日野のお祭りとブルーメの丘を紹介したいと思います。紅茶って自分で作れるんだ、という驚きがありますよ。あと、やっぱ関西は楽しいや。

松本 圭司

小さなお茶の木が3本。元々は大きかったのだが、ナオミさんのお母さんが切ってしまった。「邪魔だったのよ」との事。

 

可愛い茶の新芽。ツバキの仲間だそうで、なるほど確かに似た雰囲気がありますな。

緑茶も紅茶も烏龍茶も、元の葉っぱは同じ

 案外知られていないような気もするし、意外にみんな知ってるような気もするのだが、緑茶も紅茶も烏龍茶も、原料の葉っぱは同じだ(※)。「チャノキ」という木から採った葉が、加工方法によって様々な種類のお茶に生まれ変わる。

 緑茶は去年作ったとおり、葉を洗って蒸して乾燥させると出来上がる。割りと簡単だ。出来たての新茶を飲んで、その美味しさに一同驚いた。

 今回は紅茶を作ってみることにした。果たして滋賀の民家に生えてるチャノキから美味しい紅茶が作れるのか。

※・・・細かいことを書くと、日本、中国で栽培されている低い木と、インドなどで栽培されている高い木(アッサム)の2種類があり、それぞれもまた細かい種類に分かれているが「チャノキ」というグループには違いないのでここでは「同じ」として扱う。

やっと右手が治ったナオミさんに摘ませる。背中!
去年よりちょっと多めに採れました。早速紅茶作りをするよ!

 

洗って干します。しおれさせるのが目的。

まずは葉っぱをしおれさせます

 摘んだ葉っぱをまずはしおれさせる。紅茶作りを大雑把に説明すると、こんな手順になる。「なる」なんて偉そうに書いたが、概ねインターネットで調べた手順だ。便利だなぁ、インターネット。

1.しおれさせる
気温22℃から27℃で湿度60%くらいの環境で一昼夜おき、葉っぱをしおれさせます。

2.揉み込み
しおれた葉っぱを揉んで傷を付けます。すると細胞から酵素が出てきて発酵が始まります。

3.発酵
湿度100%を保って2時間ほど発酵させます。

4.乾燥
茶色く変色した葉っぱを熱して乾燥させ、発酵を止めます。

まだ手順1が始まった段階。暇なのでちょっとお出かけしてきました。


風通しが良く、あまり温度が高くなりすぎないところでしばし放置。紅茶作りは待ち時間が多いです。

 

良い天気の影響か、滋賀ではなかなか見ない人混みでした。

ブルーメの丘へゴー

 滋賀というと琵琶湖だが、去年行ったので今回は「ブルーメの丘」というドイツの田舎町をテーマにしてるっぽい施設に連れて行ってもらった。大人一人800円。なかなか良い料金を取るが、GWで晴れたこの日、駐車場は満車に近い混雑だった。

 動物とか花とかがたくさんある癒し系の公園であり、「滋賀農業公園」を銘打っている。

[公式サイト]滋賀農業公園ブルーメの丘

あー、美味そうなー、バウムクーヘン。

 広場ではバウムクーヘンが売られていた。ドイツの田舎町をイメージしているだけあって、バウムクーヘンだけでなく、ウインナーやワインなんかも僕を誘惑してくる。でもさっきココスでご飯を(ハンバーグとフライの盛り合わせ+ご飯大盛り)食べたばっかりだ。ここはちょっと自重したい。

 街を模した広場に大きなオブジェが飾られていた。ナオミ母によると、

「ほいのぼりよ」

との事だった。ほいのぼり?

 

謎のオブジェ「ほいのぼり」


ほいのぼりというものだそうだ。

 

竹ひごに付けられた薄い紙。これがほいのぼりだ。

ほいのぼりとは?

 細かく書くと長くなってしまうので簡単に書く。滋賀の日野町で行われる南山王祭というお祭りがあり、その祭で日枝神社に奉納されるものなのだそうだ。

 竹で作られた細長い枝に、白やピンク色の薄い紙を飾り付けると「ほいのぼり」になるのだという。鯉などの生き物や花、神様などを模したものではなく、単に竹と紙だ。イノセントに「綺麗」とか「格好良い」という感性のみで作られている。現代アートか。

 この無意味な美的センスがたまらない。そして、ドイツを模した広場にほいのぼりを立ててしまう感覚にもしびれる。関西に来てる!という妙な感慨があり嬉しくなった。

後ろ足をだらんと伸ばすウサギちゃん。

 ブルーメの丘には、馬、羊、牛、ウサギなどの生き物もたくさんいる。普通に牛舎があって、目がギョロリと大きな牛がいたり、羊がのんびり草をはんでいたり、馬がウンコしながら乗馬体験の人を背中に乗せていたり。

 なんともゆったりと時間が流れ、家畜の匂いがふわーっと漂ってくる。そんな中で食べるソフトクリームがまた美味い。人も、関西だからだろうか、心の壁が低くて知らない人同士で全然普通に会話している。関西ナイズされたナオミ母も、普通に知らない人と話していた(※)。

 ドイツのはずが思わず大いに関西を感じてしまい、大変な良いところに来てしまったなぁ、などと思った。

※・・・関東の人はまず知らない人に話しかけたりしませんし、話しかけるとエライ勢いで怪しまれます。僕は特に。

 

首の短いアルパカ、という風情の羊ちゃん。かわいいのぅ。

 

チューリップもすごい

 ドイツはチューリップの名産地なのかどうかは知らないし調べる気も無いし、違うんじゃないかと思うのだが、やたらとチューリップが咲いていたので写真をたくさん撮ってきた。

 当サイトのライターも証言しているが、どうも30代になってから、可愛いものをやたらと撮るようになった。花、動物、子供。そんなチューリップの一部をご覧下され。


赤いチューリップ。花びらのフチが白くて可愛い。
花びらの形が面白くて、模様も可愛いチューリップ。
オレンジ色と濃いピンクのチューリップ。なにこれきれい。
ホントに沢山の種類が栽培されていた。チューリップ、いいな。

 

次の日、ようやく次の工程へすすむ紅茶作り

 そうだ、これは紅茶を作るまでの記事だった。僕が滋賀を訪れた5/2はお台場でデイリーポータルZのお祭りも行われていたが、日野祭というお祭りも宵山と呼ばれる大盛り上がりの日なのだった。

 夜、曳山が盛大に祭り囃子を奏で、はっぴを着た威勢の良い人たちが「やれやれやれやれ!」と囃していた。そうして夜は更け、滋賀の2日目。紅茶作りはネクストステージへ。


曳山が交差点でお囃子バトル。

祭を楽しみつつ、次の工程へ >
 

 
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