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はっけんの水曜日
 
さようなら、80歳のケーブルカー


これがその内部。

箱根に80年以上の歴史を持つケーブルカーがある。

そのケーブルカーが5月末をもって引退するというのだ。正直これまで縁もゆかりもなかったものなのだが、引退するとなると乗りたくなるのが人間というもの。

急いで乗りに行ってきました。

安藤 昌教



私設なのでした

今回乗りに行くケーブルカーは箱根の宮ノ下という駅の近くの旅館にあるのだという。そう、このケーブルカー、私設なのだ。

私設で80年の歴史とはすごいではないか。80年前の1929年といえば世界史的には世界恐慌の発端となった年だ。日本では北海道の駒ヶ岳が爆発したりした年らしい。

そんな激動の時代を乗り越えたケーブルカーが今なお走っているという。


混雑するホームを対岸から眺める優雅さよ。
電車は満員がデフォルトではないのだ。

箱根へは前回は寿命を延ばすために行ったことがあるのでルートは把握済みなのだが、平日の朝、会社へ急ぐ人たちを向かい側のホームから眺めるというのは何度やっても特別な気分になる。そうか、これが日帰り失踪というやつか。

箱根へ向かう登山鉄道へ乗るために小田原駅で降りると、空気の味が違って感じた。


小田原駅は何度来ても写真撮ってしまうくらいかっこいい。

小田原駅には構内に駅弁屋さんがあるため、その匂いが漂っているということもあるのだけれど、それ以上に駅全体からなにか暖かい、観光地独特の匂いがするように思うのだ。明らかに都心の地下鉄とかとは別の世界がそこにはある。


箱根湯本駅からさらに登山鉄道に乗り換えます。
登山鉄道ってこんなの。

インフルエンザの影響か、つり革を直接持たない人がいました。
ここから山を登っていくわけです。

においの違いは客層の違いだ

小田原から箱根湯本へ、さらに箱根登山鉄道に乗り換えてこの空気の違いの意味がわかった。平日の朝から箱根に向かうお客はたいていカップルかご老人なのだ。つまり彼らの匂いではないのか。

いつも通勤電車に充満する会社員たちの匂いとは違うわけだ。


登山電車の車窓より。

東京から2時間くらいでこんな景色になるのだからやっぱり日本は狭いんだと思う。


スイッチバックして進行方向を変えながらぐんぐん山を登っていきます。
そして着いたのがこんな駅。

宮ノ下まで行くのに登山鉄道は3度のスイッチバックを繰り返し、くねくねと山道を車輪を軋ませて登っていく。

登山鉄道は車内アナウンスが親切でいい。

「ここ箱根の山はその昔、噴煙たなびく活火山で〜」とか、スイッチバックする前には「もうこれ以上の傾斜は登れませんのでスイッチバックを行います」など、情のこもった説明してくれる。


宮ノ下駅ではホームからいきなり線路へ降りて、そこから構外へと出られます。

アナウンスのおかげで駅に到着する頃にはかなり登山電車に詳しくなっていた。誰かに教えたい知識がたくさんついたのだが、一人で来たのでここに書いて消化させてください。

・登山電車の登る80/1000という勾配は世界二位だ
・二両編成の列車でも前後で2.4mの高低差が出来る
・安全のため電気ブレーキとレールを押さえつけて止まる特殊ブレーキとを併用している
・6月からは沿道のアジサイがきれいなアジサイ電車になります

登山電車の駅をあとにして、3分ほど歩くと目的の「80歳のケーブルカー乗り場」へと到着する。


これが80歳のケーブルカー乗り場。

どうだろう、イメージと違わないだろうか。80年の歴史があるというものだから、僕はもっと丸太とかで組んであるかと思っていたのだ。それがどうだ、この立派さ。

ここから乗ることができるケーブルカーとはどんな乗り物なのだろうか。


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