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チャレンジの日曜日
 
中国の飲料は王老吉が最強


Enjoy! 王老吉!

  僕は海外に旅行に行くときは、その国が、コカコーラ派かペプシ派かチェックする。例えばスーパーマーケットや旅行先の商店で、どちらが多く冷やしてあるかをチェックする。

 相撲で言えば、横綱よりも前頭の力士が優勝するほうがサプライズだし、プーチン首相と麻生首相が殴り合いをしたら麻生首相が勝つほうがサプライズだから、僕はペプシ派だ。スプライトと7upが両方ならんでたら7upを買う、それがペプシ派だ。

 中国の店でも、世界の巨人コカコーラが世界のペプシを圧倒している。しかしその世界の巨人が象からみたアリにすら見える、巨人飲料が中国にはある。

 それが王老吉だ。コーラと違って炭酸はないけど。

ライスマウンテン



人民大会堂宴会用涼茶飲品

 王老吉は北京語で「ワンラオジー」と読む。その正体は仙草、インドソケイ、破布葉 、菊、スイカズラ、ウツボグサ、リコリスといったいろんな草のエキスが入っている漢方なドリンクだ。広告やCMでは、「体の調子が悪い?なら王老吉だ」「風邪ひいたかも?なら王老吉だ」とか、そんな感じのとりあえずからだ悪いなら飲んどけ的にアピールしてたような器がする。

 缶には「涼茶の始祖、王老吉。創業清朝道光年、100年以上の歴史」と書かれている。適当に言ってしまえば、中国版の伊右衛門だろう。サントリーのウーロン茶やキリンの生茶ですら砂糖が入る中国のお茶飲料事情から、王老吉もまた例外なく甘い。でもって、リコリスな味だからルートビアに近い。そうだ、何の味かと思ったら炭酸のぬけたルートビアだよ、全然伊右衛門じゃないじゃん。


人民大会堂の宴会に王老吉が使われるそうです。
サントリー烏龍茶の「福建省有自信推奨此品」より説得力アリ?

専用缶は大量生産ができるからこそ。これぞ王者の風格。

コカコーラのようにボトルはないけれど、紙パックはあります。気軽に買えます。

リコリスな色なので色は黒め。でもって甘い。

ドリンクを固めた?のど飴も好評発売中。

 

王老吉はダース買いも基本

 説明はこれくらいで、コカコーラすらもマイナードリンクに見えてしまうような、マインドコントロールにも見えてしまうような、王老吉の売られっぷりのすごさをこれから紹介したい。

 …中国が貧しくて王老吉しか売ってないんじゃないよ、念のため。ついでにいうとCG加工とかもしてないよ、リアルだよ。


箱売りで王老吉。しかもお酒コーナーにて。

棚一面全部王老吉。しかも箱。

…どころでなく、棚2面以上、その奥の棚も王老吉

 

あらゆるとことに王老吉の罠

 王老吉に決まった売り場など必要はない。個人商店やコンビニもそうだが、スーパーの売り場ならなおさらのこと、あらゆるところで王老吉が目に入る。入口から出口まで徹底して王老吉が目に入る。

 こういうのをリアルなサブリミナル効果というのだろうか。というかいくら広告に費やしているのだ?いくら王老吉に維持費をかけてんだ。よくわからないが中国はスケールがでかいから、というありがちな言い訳で自分自身を丸め込んでみた。


さりげなく王老吉

買い占めとか大人買いを断念するほどの王老吉

向かう先には王老吉

スーパーのレジも王老吉

スーパーのエスカレーターも王老吉

卵売り場だろうが野菜売り場だろうが王老吉

バドガールならぬ王老吉ガールもいます。名字が王さんならミラクル。

ニセモノの存在はホンモノの証

 中国はニセモノが多いことは誰でも知るところだけど、王老吉もコカコーラすらも陰るほどの売られっぷりから、王老吉にそっくりなパッケージの漢方茶飲料がいろいろ売られているのだった。

広東涼茶というそっくりさん

 かなり甘いけれど、健康維持のため愛用している中国在住の日本人も結構知っていて、やみつきになっている人も。中国に行くことがあれば飲んでみてはいかが?横浜や神戸や池袋の中華街で買ってみるのもいいかもね。


 
 
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