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ひらめきの月曜日
 
油揚げはどこまで厚くできるのか

これは油揚げなのか

弱火のまま30分近く放置した。本当の油揚げもこれだけ時間がかかるんだろうか。その点が不安といえば不安である。


表面に膜のような物が張る瞬間というのがあるんですよ。
それを合図に中火にして色を付けたら出来上がり、と。

なにやら、いっぱしのような口を利いているが、豆腐屋さんに「ケッ」と鼻で笑われるようなことを書いている自覚はあります。大丈夫です。そしてすみません。


こちらは1.5 センチ版。
表面がパリパリです。

肉厚すぎて、もう…
べらぼうにうまい!

中と外とのバランスが実に素晴らしい。水分が抜けて、味が濃くなったように感じられる豆腐部分と、油と接触したことで力強くなった表層部分とが織りなす味のハーモニー。こんなの、余所で食べたことがない。

「それだけ厚いと、もはや油揚げとは呼べないじゃないんじゃないの?」と指摘されたら、自信を持ってこう答えよう。「これは高瀬揚げだ!」と。

油揚げというネーミングのいい加減さを鑑みるなら、これだけ大きく出てもいいような気がする。


続いて、厚すぎて箸で持つのが不安だった2.5 センチ版。
包丁で切ると崩れそうに柔らかい。

さすがに、これは切りながら「油揚げというより、厚揚げかもしれない…」という思いが脳裏をかすめた。

中のフワフワと外のパリパリのコントラストが一層際だっていたのがコレである。


塩で食べてもうまいハズだ。なんたって揚げたてだ。
この弾力。

ああ、味が濃い!
もう本当に、うまいとしか言いようがないです。

確かにこれは、世間で言うところの厚揚げかもしれない。「肉厚の油揚げをエスカレートさせると厚揚げになる」という結果は最初から分かっていたような気もするが、それでもこれはあくまで油揚げと言い切りたい。

そもそも「何センチ以上を厚揚げと定める」という決まりなんてないだろう。(あるのかもしれませんが)


こうして見ると、右端だけ仲間ハズレのようにも感じますが。

やはりこれは「高瀬揚げ」かもしれない

「さて、どうまとめたものか…」と、ここまで作業を終わらせておきながら今さらのようにウィキペディアを読んでみたところ、驚くべきことが書いてあった。なんと「厚揚げ(生揚げ)は最初から高温で揚げる」とあるではないか。

ということは、私が「これは厚揚げなのでは…」と思った2.5センチ版も、低温からジワジワ火を通した時点で既に厚揚げではないということになる。

ならば、やはりこれは高瀬揚げと言っていいのではないだろうか。

とにかく自宅で好きなように豆腐を揚げる作業は、出来たてが食べられるというだけで嬉しく、立派なごちそうになることが分かった。時間がかかるのだけは難だが、是非また作ってみようと思う。

勝手に自分の名前を付けて、豆腐を好きなように揚げるのは楽しいですよ。

高瀬揚げ、現在のラインナップ。

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