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はっけんの水曜日
 
映画を上映してみたい!

グッとくるぜ、映写機!

早速、映写室に入れてもらうことに……。

ジャジャジャジャーーーーン!!


およそ人の背丈ほどもある巨大な映写機!

重厚で、メカメカしくって……もうクラクラするほどカッコイイ!

おおうっ! このマシーンから様々な映画が映し出されているのかッ! イイネー! イイネー!

そして

「フィルムをつなぐ」って一体どういうことなんだろうか。

フィルムをつないでみる

映画館で上映するフィルムというのは、リールにぐるーっと巻き付けられているのだが、一時間、二時間分のフィルムとなるとかなりの量になる。


DVDだったら一枚に収まる約一時間半の映画でも、フィルムにするとこんなにデカい!

これがまた、持ち上げるのもひと苦労なほど重いのだ

これでは運搬するのも大変。

ということで、配給会社から映画館にフィルムが送られてくる時には↓のように

フィルムが小分けにされている

この映画の場合は、全部で8巻に分かれているということ

つまり「フィルムをつなぐ」とは、その小分けになっているフィルムをつないで一本の長〜いフィルムにまとめる作業のことなのだ。

それじゃ僕も体験させてもらいましょう。

フィルムをつなぐのには、このメカを使用します。なんか職人っぽい雰囲気!
このように切れているフィルムを……

ピッタリくっつくように、こちらのメカに固定

スプライシング・テープと呼ばれるテープで貼って

ぐいっと押し込む!
ほい、くっついた!

フィルムの穴までキレーに空けられています

やっぱ業務用の、それ以外の用途には全く使い道がないタイプの道具ってグッとくるものがある。

さっきまで別々だったフィルムがこんなキレーにくっつくなんて……。そして、手作業でやったら絶対に面倒くさそうなフィルムの穴が一瞬にしてスカッと空いちゃうなんて……。

何より、ぐいっと押し込んだときに、プチプチと穴が空いていくあの感覚がなんともカ・イ・カ・ン! こりゃあ一家に一台欲しくなっちゃうぞ(……イヤ、いらないか)。

ちなみに、当たり前だけど映画の途中部分をくっつける時には透明なテープを使います。

一本につないだフィルムは上映期間が終了したら、また元通りに分割して配給会社に送り返す。

「新文芸坐」のように古い映画を上映する映画館では、当然他の映画館で以前上映されていたフィルムを使うことになるのだけど、前の映画館の映写技師さんがアバウトなタイプの人だと、上映後に分割して送り返す段階で、ケースのナンバーと中身が違っているなんていうことも……。

それに気づかずにフィルムをつないでしまうと大変なことになってしまうのだ。

普通の人は、たまにしか映画館に行かないので滅多に遭遇しないでしょうけど、フィルムが途中で切れちゃったり、機材のトラブルが起こったりして上映が中断することって結構あるんですよ。

上映中、映画をずっと観ているわけにもいかないので、事務所で別の作業をしていたら、トラブルが起こってて会場内がざわついてたり……。

慌てて切れたフィルムを貼り直したりするんですけど、直している側の気持ちだと5分や10分ってすぐに過ぎちゃうのに、映画を観ている最中に中断されて待っているお客さんとしては5分ってものすごく長く感じるんですよね。

だから、他の映画館に観に行っている時にそういうトラブルがあると、腹が立つというよりは「かわいそう」って思っちゃいますね。


ものすごくアナログな、フィルムっていうメディアを使用して上映している以上、トラブルはどうしてもついて回っちゃうんでしょうね。


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