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ひらめきの月曜日
 
そして僕は途方に暮れてみる

発掘!見たことない服

思えばこれまでも、デイリーポータルZの記事を書くにあたっては、途方に暮れるようなことが多かった気がする。


そして僕は途方に暮れる(「バラの花束でぶたれる」)
そして僕は途方に暮れる(「スーツで体育座り」)

見えない壁にぶつかる。どうしようもなくてただうずくまる。僕たちはそうやって途方に暮れては、いつしかそれを乗り越えるなり、うまく折り合いをつけるなりしてここまでやってきた。

途方に暮れるというのは、大人になっていく間に幾度か訪れる儀式のようなものなのかもしれない。


この流れでもう一回載せます

さて、妻の見慣れない服を探すべく行っていたクローゼットの発掘作業。これが今回の話の本筋だ。


いつ着るのかがわからない

ベトナムの民族衣装であるアオザイも発掘。そういえばこんな服まで持っていたか。ただ、アオザイもかなり意外だったが、最も見慣れないと感じた服はこちらだった。


見たことなかったなあ
フランス製の本気服らしい

ピンクと黒のワンピース。妻本人は「素敵ワンピース」などと適当なことを言っている。

結婚して6年半になるが、この服を見たのは初めて。妻の普段の服の趣味からするとかなり意外な服だ。結婚する前に手に入れた服なのだろうか。

自分の知らない、過去の妻。おお、「そして僕は途方に暮れる」のシリアスな歌詞と雰囲気が合ってきたぞ。では実際にやってもらおう。


見慣れない服を着た

君が今

出て行った 

よし、歌詞の冒頭部分はこれでいい。写真にすると思っていたより本格的にさみしい感じが出てしまって驚く。

このあとの歌詞では細かい描写もあるわけだが、ここは一気に決めのフレーズ「そして僕は途方に暮れる」にもっていくことにしよう。

ところで、「途方に暮れる」の「途方」とはなんだろう。

すでに「途方に暮れる」や「途方もない」という言い方が成句として定着していて、「途方」そのものはよくわからない。


ネットの辞書で調べてみる。「方法」や「手段」といった意味が載っている場合が多いが、「多くの方向」「向かう方向」という意味が載っているものもあった。「途方」という字面からして、こちらの方が語源であるのだろうと思う。

多くの方向がありすぎて、向こう方向がわからない。そういう「途方に暮れる」状況に陥ってみたい。

どうしよう。いろいろと考えて、やってきたのは東京都大田区の路地だ。


住宅街の細い路地にはいつも不安にさせられる
訴えが切実

道幅が狭く、方向感覚がなくなってしまうような路地は、いつ来ても心配になる。加えてここでは、民家に車が接触して被害が絶えないことを訴える看板が追い討ちをかける。

事情があって一方通行などの規制をすることもできないのだろうか。だから「被害が絶えません」と訴えるだけ。

これだけでもう十分に途方に暮れられる。ただ、目指している現場はもう少し先なのだ。


ここが目的地です

しばらく歩いて、目的としていた場所に到着。

この写真だけでどれくらい伝わるだろうか。次のページでは詳しく見てみよう。


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