この干潟で捕れる貝はだいたい知っているつもりだったので、この貝の登場は唖然とするばかり。テストをやり終えたと思って時間まで寝ていて、終了間際に問題用紙をひっくり返してみたら裏面があったみたいな。なにやっていたんだ今までの俺。
もうこのでっかい貝をみた瞬間に一目惚れ。すでに捕りたいモード全開である。
貝の名前を聞いてみると、「正式な名前はわからないけれど、瀬戸内海だとオオノガイって呼ばれている貝だね。」ということだった。三番瀬で瀬戸内海という単語を聞くとは思わなかった。
このオオノガイは30センチくらい掘ったところにいるとのことで、深くても10センチ程しか掘らないマテガイ掘りだと、何回来ても出会うことはまずない。わずか20センチ深く掘っただけで、まったく知らなかった生き物との出会うチャンスがあったなんて。
この干潟での新たなる獲物の登場が本当にうれしい。人生に張りがでるっていうものだ。
もちろん捕りに行きます
二週間後の大潮、さっそく大きなシャベルを担いで干潟までやってきた。
だがこの日は海風がものすごく強くて、干潮時間になっても潮が全然引かず、とうとう干潟が現れることはなかった。
一向に潮の引かない海を見て、マテガイなら絶対捕れるよと連れてきた友人達がどん引きしていた。 |