はたらく777
さて、巨大ダンプがはたらくここはいったいどこかと言うと、岩手県内に建設されている「胆沢ダム」の工事現場。
今回は、この工事事務所の所長さん自らの案内で現場をくまなく見学させてもらったのですが、当日はあいにくの雨。そこで、雨カッパと長靴とヘルメットの完全防水装備をお借りしたのでした。
胆沢ダムは「ロックフィル」というダム形式で、土や岩を積み上げて造られるダムです。そのため、近くの山を切り崩して材料を生産していて、90tダンプは生産された材料をダム本体の工事現場まで運搬する役目を担っています。
もちろんダンプは大きすぎて一般道を通れないので、両現場を結ぶ専用の道が造られ、およそ20台が24時間ほとんど休みなく行き来しています。
ところで今回の取材が決まったとき、滅多にないチャンスなので誰か行きませんか、と編集部に連絡してみたところ「ぜひ行きたい!」と言って一緒に来てくれた人がいます。
DPZで車と言えばこの人、そう、編集部の工藤さん。子供のころからこの巨大ダンプには憧れがあった、と現場に着く前から聞いていましたが、目の前を走るダンプを僕より夢中で撮影していました。
せっかくなので、工藤さんにも巨大ダンプへの想いを語ってもらいたいと思います。
私と巨大ダンプ
子供のころ「はたらくじどうしゃ」という類の図鑑でいちばん好きだったのが巨大ダンプでした。
それには決まって「がいこくのこうざんなどではたらいています」と書かれていたのですが、それが間近に見られるというので、大喜びで取材に付いていきました。
実際に見た巨大ダンプは、子供のころに想像していたよりもずっと迫力があり、砕石を満載して走り抜ける様子を見たときは、うれしくてにやついてしまいました。
小学生の時に見ていたら、興奮してちびっていたでしょう。
大人になってからでよかったと思いました。
工藤さん、ありがとうございました。写真を撮っているときの腰の入りがすごかったので、これは本気なんだなと思いました。ものすごく楽しかったですね!
当日の写真を工藤さんからいただいたのですが、700枚以上で4ギガくらいありました。
原石山へ
それでは、巨大ダンプ用の道を通って、まずは材料を切り出している原石山へ向かいました。
原石山を高台から見下ろすと、90tダンプやパワーショベルがせわしなく動いているのが見えます。縦横比の関係で90tダンプがチョロQのように見えますが、それだけ原石山が広いということ。
しかし、しばらく眺めていると、やっぱりトラックが自動で荷物を積んだり降ろしたりするトミカのおもちゃのように見えてきます。
続いて下に降りて、目の前で砕石の積み込みを見せてもらいました。
ここは動画を撮りました。3分ちょっとあって少し長いのですが、かっこいいのでぜひどうぞ。
ひとつひとつの重機がみな大きくてすごい迫力なのですが、いちばんの見どころは積み終わった最後、パワーショベルがダンプの積み荷を上からちょんちょんと押さえるところ!なんだかヒナに餌をあげる親鳥の優しさを見ているようで、ちょっと感動してしまいました。
ではあのダンプを追って、巨大ダンプ専用道を通って堤体に向かいたいと思います。
堤体の上では、積んできた砕石を指定された場所に降ろして、それをブルドーザーが敷きならすという、ロックフィルダム建設の基本の動きを見ることができました。
これもぜひ動画でどうぞ。
というわけで、1日かけて巨大な重機で巨大なダムを造っている現場を見学させてもらいました。
これぞ男の職場というやつですよね。見学会もときどき行われているとのことなので、ぜひ見に行って重機にメロメロになってください。
もしくは「運転したい」という夢を持って建設会社に入るのもアリだと思います。
ケタ違いってこういうことだよね
ダムの建設現場って、本体を作っている場所、材料を採取している場所、資材を保管している場所などが周囲数キロという広大な範囲に広がっていて、そこをものすごい大きな重機が動き回って、しかもその工事が何年もかかるという、都会でふつうに暮らしているとちょっと想像できない尺度のプロジェクトなんだ、とあらためて思い知りました。
ホント是非がどうとか言ってないで一度見ておいた方がいいですよ。