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ロマンの木曜日
 
のろしを上げて通信したい

こんどこそ復活ののろしを

入念に火加減をしながら、煙が出るのを待った。
こんどこそのろしを上げたい。
公園に向かう前、編集部に残る人たちに、のろしを確認するようにお願いしてきたので、そろそろ上がってくれないと困る。


のろしよ上がれ

程なくすると煙突から煙がが上がりはじめた。
先ほどよりは真っ直ぐに上がっている。
写真ではそれほどでもないが、実際にはもう3割り増しくらいに上がっていた。


これが(一応)のろしです

のろし見えてますか?

これ以上煙が上がると叱られそうだなという程度までになったので、編集部に電話をし、のろしが見えるかどうか確認してみた。

電話をした時点で、もうすっかりのろしの意味を放棄している気もしないでもないが、それはそれ、これはこれである。


のろし、みえる?

「わー、見えたー」という写真

そのときの編集部の様子がこの写真だ。


わー、あれだ


たぶん気を使ってくれたのだろう、このあと帰社した僕に、編集部の橋田さんが「わー、見えた」という演技をしている写真を渡してくれた。
実際のところは、まったく何も見えていなかったそうである。


何も見えず

まあ、そうだろうよ

公園で実際に見ていても、煙の高さはせいぜい数十センチで、風にあおられてすぐに消えてしまう。

もっと大きなのろしを上げようと思えばいくらだって上げられるが、都会で誰の許可も取らずに上げられるのろしは、この程度が限界だ。

20代前半のころ、興味本位で自動車についている発炎筒に点火してみたところ、何かの救助信号かと思うほどの煙が上がってしまい(実際にそうなんだけど)、たいへん慌てふためいたことがある。
人里はなれたところだったからどこからもお咎めがなかったが、あれくらいののろしをこの公園でやったら、たぶんこの記事は掲載されていないだろう。


ただ空が広がる

いつか上げたい

実際ののろしは到達距離が4〜5km以上あったらしく、それをリレーしながら、160kmの距離を2時程度で伝達したそうである。
また、1980年代には、新幹線とのろしを競争させて、のろしが勝ったという記録もあるそうだ。
今でも各地でのろしを再現するイベントが行われているようなので、いずれ取材したいと思う。

と、インターネットで調べた情報を書いて(→こちらのサイトがくわしいです)、惨憺たる実験結果から逃避するまとめ方で終わろうか、それとも


今回は充分な煙を上げることができなかった。
のろしを上げることで情報は伝わらなかったが、僕の思いは同僚に伝わり、「見えたふり」の写真を撮影してくれた。
そしてその同僚のやさしさが僕に伝わったのだ。
これこそがまさにコミュニケーションといえよう。

と、思ってもいないことを書いて終わろうか。
どっちがいいだろう。

画像加工でやった気分に

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