丸くない
どうやら途中から巻き簾がブカブカになったようで、形がレインドロップ型になってしまった。こんなバウム、見たことがない。
こうなったら頼るべきものは視覚よりも味覚だ。
明太子、ネギ、白ゴマ、海苔の入った玉子焼きは、一度に食べるとどんな味になるのだろう。
「甘い物にうつつを抜かしてる場合じゃなかったよ!」と言いたくなるような味であった。突出する味もなく、それぞれがうまい具合に補い合って、絶妙なハーモニーを作り出している。これはいい。かなりおいしい。
ただ、問題は見た目だな。
次は素直に作りましょう
というわけで、次は巻き簾を使わず、普通の方法で玉子焼きを作ることにした。
テフロン加工の器具を使っただけあって、焦げ付かずにうまく出来た。巻き簾など使わず、最初からこれで作れば良かったのかもしれない。
今回は虹を意識して7層で作ってみたが、これ以上層を増やさなくて正解だった。野外で本格バウムを作ってるならまだしも、こちとら室内でなるべく卵液をこぼさないように…と静かに似非バウムを作る身だ。あまり大それたことはしないに越したことはない。
では、切ってみましょう。
年輪がクッキリと出た。真ん中に穴を空けられなかったのが残念だが、それ以外は立派なバウムじゃないか。しかも層によって色が変わるんて本物にはない趣向だ。なかなかいいだろう。
「それはニセモノ故の過剰さだ」という指摘には「それがどうした」と、いっそ開き直りたい。
代用にはなりませんが
「これさえあればバウムクーヘンが食べたくなくなる」というわけではないが、雰囲気だけは味わえなくもない。
いっそ、逆に「甘い物の苦手な人にバウムの感覚を」という触れ込みで食べさせた方がいいような気もしてきた。
つまり、それほどまでにオカズっぽかったということです。