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はっけんの水曜日
 
パチンコ台を思い通りにしたい!

 

パチンコをやらない人にとっては全然縁遠いものだろうけど、やる人にとってはなじみ深いパチンコ台。

しかしそんななじみ深いパチンコ台でも、ガラス一枚隔てた中身は絶対に手を触れられないアンタッチャブルな領域だ。

いつも僕らの思い通りになってくれないパチンコ台をパカッと開けて思い通りにいじくってやりたい。

(絵と文:北村ヂン



パチンコ台の命、それは釘!

最近はめっきりやらなくなってしまったけど、学生の頃はヒマつぶしにパチンコをよくやっていた。

あまりギャンブルとして血眼になってやる感じではなかったけれど、テレビゲームみたいに画面上で点数が上がっていくだけではなく、大当たりすると台から実際にドジャーッ! と玉が出てくるのがなんとも気持ちがよくて好きだったのだ。

そんな感じなので、テクニックや理論などはよく分からないままテキトーにやって、なんとなく勝ったり負けたりという感じだったのだけれど、それでも一応はじめる前に

「この台は釘が甘いな!」

「釘が厳しいな!」

などと言いながら台選びをしていたんですが……正直よく分かってなかったです。


とか言ってたけど、ホントは全然分かってなかった

パチンコをやったことない人向けに説明しますと

近年のパチンコっていうのは、大抵がこの抽選入賞口(チャッカーなどとも呼ぶ)に玉を入れると

スロットが回って、この数字が揃えば当たり。そんでドジャーッと玉が出てきてウッハウハ……とまあこんな感じの流れになっており、とにかくパチンコとは抽選入賞口に玉を入れなきゃはじまらないものなんですよ。

そしてパチンコ台にはこのように

大量に釘が打ち付けられているので、この釘に玉が弾かれることによって入賞口に入りやすくなったり、全然入らなくなったりということが起こるわけです。

たとえば、この二本の釘がバカッと外側に広がっていれば「GO」の中に玉が入りやすくなるし

内側に締まっていれば入りづらくなりますよね。

そして、この釘の角度を「釘師」と呼ばれる人がハンマーでガッチンガッチン叩いて、「この台は勝てる台」「この台は勝てない台」などと調整しているらしいのだ。

テレビかなにかでパチンコ台の前面ガラスを開けてカーンカーンカーン! と釘を打っている姿を見たことがあるけど、職人っぽくて格好いいし、なによりちょっと楽しそうだ、是非自分でもやってみたい! 好き勝手に調整してみたい!


僕の中での釘師イメージ。多分こんな人はいない

 

なんとパチンコ台が展示されている博物館

とはいえ実際に営業しているパチンコ屋ではおもしろ半分に釘の調整なんてやらせてくれないだろうからなー……と思っていたら、釘師体験をさせてくれる施設があるらしい!

ということでやってきたのは東京・上野にある「パチンコ博物館」。

新旧のパチンコ台を150種類以上展示して、パチンコの歴史などを知ることが出来る日本で唯一(たぶん世界でも)のパチンコ博物館だ。

そして、こちらが館長の牧野さん。

なんと、ここに展示されているパチンコ台はもともと牧野さんが個人的に集めていたものなんだとか。

しかも、展示されているもの以外にも1000機種以上を所蔵しているという筋金入りのパチンコ台コレクターだ!


懐かしい台から最新機種までズラッと展示されている

そんな牧野さんがパチンコを意識しはじめたのは、なんと小学2年生の時。

街でよく見かける、ど派手なネオンで飾り立てられたパチンコ屋さんが、なんとも楽しい場所に見えてものすごく気になっていたらしい。……確かにピカピカのキラッキラで楽しそうに見えますからね。

もちろん子供が入れる場所ではないので、牧野少年はデパートの屋上にあったゲームコーナーで10円を入れてやるパチンコに熱中することに。

そこで釘の配列の見極め方や、どこに向かって玉を打てばいいかなどを自力で編み出して、自由自在に勝つことが出来るようになった。

そして、ゲームセンターでゲームにハマッていた子供が、「プレステを買って自分の家でもゲームをやりたい!」と思うような感覚で、小学5年生の時にお小遣いを7ヶ月分貯めてついに本物のパチンコ台を購入することに。

 

その時買った台がコレ。ちゃんと残ってるのがスゴイ!

その後も気になる新機種を少しづつ買い集めていたが、コレクションが数十台を越えた頃、さすがに家に置き場がなくなってしまったという。

「それだけあると部屋が狭くなっちゃって……。きっと、昔のパチンコ台を保管してて見せてもらえるような博物館があるんだろうから、そこにある分くらいは処分してもいいかなと思ってたんですけど……」

しかしこれによって逆に、パチンコ台というものをちゃんとコレクションしている施設がないということが判明してしまう。

「結局メーカーさん側も、流行廃りで消えていく遊び道具という認識で、ちゃんと歴史的価値があるものとして集めている人がいなかったんですよね。……ということは、私が持ってる台を手放したらもう二度と遊ぶことが出来ないかもしれないじゃないですか」

そこから「自分がパチンコの文化を残さなければ!」という使命感を持って、全国各地をレアなパチンコ台を探して回るようになり、コレクションの数が加速度的に増えていった。

つまり家四軒分もの財産をパチンコにつぎ込んでしまったということ……!

もちろんパチンコで勝って取り戻している分もかなりあるんだろうけど、それにしてもすごい金額だ!


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