デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


土曜ワイド工場
 
ささいな沼袋案内


二回ほど契約更新したから、結構長く住んだと思う。
東京都中野区、野方。
私のアパートは、西武新宿線の、沼袋駅と野方駅の、ちょうど中間にあった。
より新宿に近いせいもあって、電車に乗る時は沼袋駅に行っていたので、野方より沼袋のほうをよく利用していたような気がする。
のんびりした街なのに、あのヒリヒリした新宿・歌舞伎町まで電車で10数分で出られる、というのも気にいっていた。各駅停車で確実に座れたし。便利だった。
でも、ちょっと事情があって、6月いっぱいで引っ越すことになった(といっても、そう遠くない場所に転居したんだけど)。
さよなら、大好きな沼袋。というわけで今回は、これから沼袋に住む機会のある皆さん、沼袋で「ちぃ散歩」されたい皆さんのために、ささいな私の思い出を、披露しようと思います。

大塚 幸代

なぜかうまい焼きたてパン屋さん



実は、私が沼袋でいちばん食べた店が、ここ。駅の北口横にあって、イートインスペース(8席くらい)がちょこっと併設されている「フレッシュキッチン」。
いわゆる「街の焼きたてパン屋」さんなのだけれど、みょうにうまい。値段はもちろんお手頃価格なんだけれど、高いパン屋さんよりもうまい。ふわふわしてるパンはたいてい、焼き加減が絶妙。
何なんでしょう。職人さんが上手いのかしら?
私はその中でも、みそカツバーガーという、キャベツとチキンメンチカツとみそソースで出来た、ローテンションな味のパンが好きでした。絶妙なローテンションさなんですわ、これが。0.5と0.5と0.5を足したら3になった、くらいの微妙に不思議な味。これとカフェオレを頼んで食べて、新宿方面の電車に乗ることが多かったです。
あ、カフェオレもうまいです。時々、ちょっとぬるいことがあったけど。

 

朝までやってる、僕らのユネスコ



24時間営業じゃないんだけれど、明け方までやってるスーパー、ユネスコ。全般的に安いんですが、特に安いのはお弁当。普通のお弁当が298円、あとカツ丼も298円!!


おもわずアップにしてしまった。298円!!

結構うまいです。
あとこのお店、冬場は店頭で「焼き芋」を売っていて、甘い匂いが凶悪で、女性はフラフラ〜とイモを買いまくっています。危険です。

 

なぜか多い、焼き鳥&ホルモン屋



沼袋〜野方近辺は、やたらと焼き鳥屋が充実しています。しかも、どこもハイレベル。
最高峰は「秋元屋」(野方)という有名店で、トマトの肉巻き炭火焼なんて、感涙モノのうまさなんですが…、いつも混んでいるし多少敷居が高いので、私は「四文屋」(沼袋)と「きさぶろう」(野方)によく行っていました。四文屋は高円寺などにも店舗があるチェーン店ですが、なぜかバイトさんが外国人の方が多かったです。それも東欧系な名前の方。早稲田大学(留学生多し)まで電車一本で行ける街なので、学生さんが働いてるのかも、と勝手に想像してました。
四文屋はどれも美味しいですが、おすすめは1本100円のレバ刺し、そして豚足煮たやつ(量が多いのでハーフで頼むべし)。コラーゲンたっぷり。


これは、駅近くの銭湯「一の湯」ならびの、「ホルモン」という看板のかかっている店のあぶりレバー。熟年夫婦のかたがやっていて、食器も、お酒をあっためる機械もレトロで、すごく雰囲気のあるお店です。

 

ラーメン屋さんは意外と少ない



ラーメン店は意外と少ないです。環七ぞいに集中してるせいかも。
数少ないラーメン店の中でも、駅そばの「香氣」は、インパクトのある店。オリジナルの担々麺なんだけれど、これが、辛い!! 唐辛子の直線的な辛さではなくて、色々な香辛料とゴマのハーモニーのせいなのですが、食べてるだけで代謝が良くなって汗が出ます。いつも中くらいの辛さのものを選んでいて、いちばん辛いのを食べずに引っ越してしまったのが、ちょっと心残り。



「航海屋」は有名店で、新宿になどにも店舗があるチェーン。テレビにいっぱい出てるらしいです。私も過去に一度行ったんですが…、うーん、チャーシューたっぷりなので、男性にはいいのかも。

 

歌いたいならココ!



記事「めざせカラオケ日本一を実行したのはココ、「カラオケバンバン」。「え、こんな場所に!?」という、意外な場所にあります(マンションのワンフロア?)。値段が激安で穴場なせいか、夕刻になると中高生ばかりがご来店。漏れ聴こえる選曲も若くて、興味深いものがありました。私は時々ですけれど、一人カラオケに行きましたよ。そして歌ってスーパー寄って帰る、という…。便利。

 

おいしいゴハン屋さん



おすすめの定食屋さんは、「かわちや」。女性店主のやっている店で、女一人でも比較的入りやすいお店です。どれも丁寧で普通においしいのですが、「しょうが焼き定食」とフライ系は、量が多いので注意。焼き魚にしておくと無難です。あ、あと店頭でお惣菜も売ってます。



お米やさんが、数年前に、店の一角ではじめたおにぎりコーナー。これが、当然ながら、米がうまいのです。種類が少ないのと、小ぶりなのが残念ですが、なかなかいいですよ。



タイ&インド料理、というか、エスニック料理全般を出しているザックリしたお店、「アーガン」。沼袋駅裏に、超超有名カレー店があるんですが、そこよりもおいしい…と、個人的には思います。脂が少ないのか、味がサッパリしていて食べやすいのです。ランチでしか行かなかったので、ディナータイムにも行きたかったなあ、と後悔中。



そのほかにも、不思議なカレー屋さんがあります。新中野から移転してきた伝説のカレー店「スジャータ」。スリランカカレーなんですが、店主がクリスチャンなため、牛肉のカレーもあるという変わったお店です。「中野の逸品グランプリ」という町おこしコンテストでも優勝を果たしております。夕食に食べたことはあったんですが、写真を撮りたいなと思ってランチタイムに行ったら、営業しておりませんでした。残念。また行くぞう!



「まんてんキッチン」は、元「びっくりラーメン(180円ラーメン。現在、チェーン全部が撤退)」の跡地に出来たお店。びっくりラーメンがなくなって、看板も何もとっぱらった直後から営業していたという、たくましいナゾのお店です。ラーメン+ミニカレー550円で、安価でお腹いっぱいになります。美食の店というよりは、庶民の味方、という感じ。単品のカレーが、量が多いので注意です。

「ねこまる」はのんびりしたカフェ。おじさまが、おいしいコーヒーを入れてくれます。チーズケーキもおいしいです。長時間ダラダラしてていい場所なので、友達との長話にはうってつけ。雑誌も結構置いてあるので、時間潰しにもいいかも。



和菓子屋さんもあります、「越後屋」。だんごは1本60円。ねりきりがやたらカラフルで、「薔薇」とか「四ツ葉のクローバー」とか、形がキレイで、「レモンあん」とか、ハイカラな発想のメニューも多し。みんなやさしい味です。和菓子って、クリスピークリームドーナツとかと比べると、本当に甘さ控えめだよねえ。



これは、くだもの屋さん…なんですが、ここでは一回も(なんとなく)買い物しなかったんですが…。
看板猫にはしょっちゅう、遊んでもらっていました。気難しい猫なので、機嫌悪い時は「シャー!」って言ってきます。なので、まずは鼻の前に人差し指を近づけて、様子をうかがう所からスキンシップをスタートすべし。
沼袋〜野方には、猫がやたらと多いです。でも、触らせてくれる猫は、そんなに多くありません。なので、馴染みの猫の顔は、皆覚えちゃったんですけど…、もう会えないのかなあ、と思うと、大変寂しい気がします。

 

リサイクルショップも充実



リサイクルショップも、駅近に2店舗ほどあります(中野区、杉並区はリサイクルショップが多いです)。ブックオフは野方にしかないのですが、ブックオフっぽいものなら2店舗あります。ここいらでよく、CDとか本とか買いましたよ。「将太の寿司」とか。

あと何でしょうねえ、沼袋の注意点。

  • ほっそーい道をバスが通るので、ひかれないようにするべし。チャリの置き方にも気をつかうべし。
  • 町の壁新聞を見てみたら、窃盗の理由第一位が「鍵のかけ忘れ」。下町っぽい雰囲気だから、年配の人は開けっ放しにしちゃうらしい…、鍵はかけるべし。
  • 中野行きのバスは、一方通行オンリー。戻ってくる時は、新井薬師寄りの場所に止まるバスか、野方行きのバスに乗るかしかありません。そのへんちょっと気をつけるべし。

といった感じでしょうか。

ああ、沼袋。
いいとこでした。あのゆるい空気も、静かな住宅街も。
あの沿線…、またいつか住めたらなあ、と思います。
またいつか…!!

(追記:住所はとくに書いておりませんが、沼袋は駅前から新青梅街道に向かう道…くらいしかひらけてないので、行ったらすぐに分かるかと思われます…、すみません!!)


 
 

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.