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ちしきの金曜日
 

夏の文房具フェスティバル

我々にとっては夏フェスです

文房具が好きすぎて、ある人が文房具好きだと知っただけで「このひとは信用できる」と思うようになっている。

以前、一緒に仕事をした人がノートをとる時に僕も愛用しているサインペンを3色出していたので、それだけでこの人とは気が合いそうだと思った(でも実際は嫌なやつだったこともあるのだが、それは話の流れ上ないことにします)。

そんな我々文房具好きが待ち望んでいた文房具の見本市 ISOT(国際 文具・紙製品展)が開催された。実は6年前にも同じイベントを取材しているのだ(「進化と文房具」)。

6年で文房具はさらに進化を遂げただろうか。(林 雄司



もう進化しないと思っていたものが進化する

ISOTで興奮するのは、もう工夫もおわりかと思う枯れた(文房具メーカーのみなさんごめんなさい)商品でも新製品が登場することである。まずはこれだ、切り目がまっすぐ切れるテープカッター。(ニチバン「直線美」)

DSCN2687.JPG

まっすぐ!でもないのは僕が切る時にへにょってなってしまったからです。

DSCN2687.JPG

ちなみにこれは従来型。ギザギザ。そしてセロハンテープの切れ目にピントを合わせるのは難しい

正直、テープカッターが進化するとは思わなかった。でもそう言われてみればたしかにあれはギザギザすぎた。

でもセロハンテープの切れ目がまっすぐかどうか気にする人なんてどれほどいるのだろう?

会場で待ち合わせた文具マニアのきだてさん(本稿後半で登場しますが)にそう話したら、僕は気になるのでテープカッターの歯の部分をカミソリに改造してます、と言っていた。

そんな人いるのか、と思ったらすぐに出会ってしまった。ならばもうひとつ進化したテープカッターがあった。勝手に折り返してくれるカッターだ。(マイクロネット「テープ・イン」)

(動画)テープを切るとパコっと跳ね返ってテープが折り返される

ハイスピードカメラ(600fps・ふつうのカメラの20倍)で撮影しているので跳ね返る様子が分かるが、実際には目にもとまらぬ速さである。

なぜ文具の見本市にハイスピードカメラを持って行ったのか。何かすごいものがあるかもしれないと思うときはハイスピードカメラを持っていくことが多い。テープカッターの進化とともに僕の興奮も浮き彫りになってしまった。

 

魚の名前で個人情報を隠す

プラスの「ケシポン」(あて名などの個人情報を消すハンコ、ぐちゃぐちゃの文字が印面になっている)が最近ヒットしたが、シャチハタで見かけた同様の商品はかっこよかった。(シャチハタ「セキュアスタンパー」)

文字が魚の漢字なのだ。

個人情報を守るためのスタンプは比較的新しい商品だと思うのだが、もうここまでたどり着いたかという思いである。花柄のiMac、16面フデバコのようないとおしさがある。

武将版もあったよ。

 

工夫はとまらない

言ってみれば文房具の展示会は工夫ショーである。マグネットは十字に進化していた。(ライオン「ペケピタ」)

中央にネオジウム磁石という強力な磁石が仕込んであり、それが鉄の面に強く張り付くことで4本の足すべてで紙をおさえることができる。たくさんの紙を挟んでも、磁石そのものは壁から離れないので張り付く力が落ちない。

赤い矢印はくっつく力のイメージ

ほかにも従来製品よりも40%軽い力で押すことができるステープラーや、暗記ペンセットの消しペンの性能が良くなっていた(筆者の学生時代との気持ち的な比較による)。

右が軽い力で押せるホッチキス。左が従来商品。スカッと40枚ぐらいとじられます。(マックス「UDホッチキス」)

暗記ペンの消しペンが鮮やかに消えるようになっていた。 僕が不器用で何度も塗って黄色くなっていただけという気もするが。


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