流されそうめん
流されそうめんは涼しかった。 今まで夏になると必ずそうめんを食べてきたし、子供の頃「流しそうめん」に連れて行ってもらったこともある。でも、こんなに涼しくそうめんを食べたことはなかった。というか、涼しいを通り越して、時期的に早かったためか寒かった。たぶん12月に外で半そででそうめんを食べたらこのくらいの寒さを感じると思う。 ただ、家で食べるそうめんと違って開放的で美味しかった気がするし、楽しくも感じた。もっと暑くなる8月ごろの流されそうめんはきっと最高だろうと思う。
時間は少し戻って流されるまでのお話
上で流されながらそうめんを食べているけれど、実は流されそうめんを実行するまでにはとても時間がかかった。それは、取材に行った日は、まだ夏ではなくて梅雨真っ只中で天気は曇り、そして上流だったので水が冷たく流されそうめんをしたら寒いことが容易に想像でき、水に入る決心がつかなかったからだ。
川辺にはカップルや家族連れがお弁当を広げていて「涼しいね」という話し声が聞こえてくる。綺麗な水が流れているし、今回行った青梅は、自然が多くて都心と比べるとずっと涼しい。ここで普通にそうめんを食べてみたのだけど、十分に涼しく食すことができた。
もうこれでいい気もしたのだけれど、せっかく浮き輪を買ったのだからという貧乏性が僕を流されそうめんに導く。
結局この後、水に足をつけては「冷たい」とか、空を見ては「いっそ雨降れ」とかと願ったりして1時間ぐらい水に入らずにダラダラしながら過ごした。
そして、ここは思い切って流れずに帰ってみようかとも考えたが、せっかく青梅までに来たので意を決して流れることにしたわけだ。いざ流されると楽しい。次回はもっと暑くなってから流されようと思う。
最近、父は涼しく夏を過ごしている
山野家は2人兄弟で、長男の僕が実家を出て、弟も実家を出ると、父は夏になるとガンガンにエアコンをつけるようになった(ウチはエアコンがないわけではなくて、エアコン自体はあるのだけどスイッチを入れることがなかった)。父いわく「だって、暑いじゃん」だそうだ。実家にいた頃、僕も毎夏そう思っていたのだけど、つけたら怒ったくせにと思う。でも、そのおかげで僕は今もエアコンをつける習慣がなくて電気代が浮くので感謝しようと思っている。