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フェティッシュの火曜日
 
ドイツ剣術入門

大会のルール

ドイツ剣術というのが、なんとなく理解できたような気になったところで、大会のルール説明。

ドイツ剣術はその歴史自体は古いが、競技としての歴史はまだ浅いので、剣道のように明確なルールはなく、参加者のスキルに合わせてルールを都度変えるものらしい。今回の大会は誰でも参加できるオープンなものなので、一番シンプルなルールが採用されている。

剣で頭や体を切ったら2ポイント、手や足は1ポイント。先に3ポイントとった方が勝ち。キックやパンチ、および過激すぎる攻撃は反則。どこを攻撃してもいいのと、切られた側が自己申告するというのが剣道と違う点。

本日のトーナメントは使用する武器によって、ロングソード、バックラー&ブロードソード(後ほど説明します)、レピア、そしてなんでもありのフリークラスに分かれている。

試合で使用する剣はもちろん本物ではなく、専用のソフトソードを使う。重さはあるが柔らかいので、これで力いっぱい攻撃すると、大怪我をさせる前に剣が壊れるらしい。


このような相打ちの場合は、両方にポイントが入ります。なので同時に3ポイント入ると、「両方負け」という悲しい結果に。

ルールだけ覚えても大会には出られないので、ベテラン選手にお願いして基本的な戦い方を教えてもらうことにした。

私と安藤さんが出場するのは、バックラーという円形の小さな盾と、ブロードソードという片手で持つ両刃の剣を使った、比較的安全ですよといわれたクラスである。


基本を教えていただいたベテラン選手のなめらかな動き。トンボだったら目がまわるところだ。 盾を突きだして身を守りながら戦うらしいです。ビールジョッキで乾杯しているみたいですが、これでもまじめにやっています。

剣を持って向かい合うと、どうしても子供のころにやったチャンバラごっこを思い出す。剣術の試合もその延長線といえなくもないのだが、バックラーという盾があるだけで、全然違うおもしろさがある。ちょっと習っただけだけど、盾って便利ですよ。

ドラゴンクエストなどのゲームはもちろん、ロードス島戦記やアルスラーン戦記(今調べたら、まだ続いているんですね)などの小説も読んで育ったクチなので、それらに出てきたブロードソードや皮の盾を持って戦うというのが、単純にちょっとうれしい。

 

ロングソードの試合がスタート

大会の最初におこなわれたのは、両手で持って戦うロングソードによるトーナメント。

盾を使わないスタイルなので最初の一太刀に緊張感がある。


衣裳がキメキメだとやっぱり演劇っぽくなるが、みんな真剣。 誰でも参加できるオープントーナメントということで、日本剣術の人も参加。騎士道と武士道の時空を超えた対決が今ここに。

出場者がどんな感じで試合に臨むのかなと思ったら、やっぱりみんな本気だった。バシーンバシーンとロングソードの打撃音が会場に響き渡る。

負けた側には、審判のNoeさんから「DEAD!(死)」の声。

怪我をするような武器を使っている訳ではないのだが、やっぱり大人同士が剣で切り合っている光景というのは非日常の世界。見慣れていない競技だけにおっかない。

 

続けてブロードソードの試合が始まった

誰も怪我をすることなくロングソードのトーナメントが終わると、次は我々も参加するブロードソードとバックラーを使った試合である。

剣と楯を巧みに使ったスピーディーな攻防は、観客として見ていてとてもおもしろい。


熱い試合を見れば見るほど、これから試合をする自分のテンションが下がっていく気がします。 マントで盾や剣を隠しながら戦うのもアリなのだそうです。

でも見ておもしろいものが、やっておもしろいかは別問題ですよね。

とりあえず怪我だけはしませんように。

 
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