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フェティッシュの火曜日
 
煮物の残りよ、カレーになれ!

ポトフで味わう孤独感

次はポトフを作ってみた。これがたしかにうまいことはうまかったのだが…


高級ソーセージ(シャウエッセン)の光沢艶かしい
料理自体はうまいのにもかかわらず、いかにも「独り者の食卓」といった風景

ポトフの調理風景

ポトフはとてもうまかった。
しかし、ここで毎日時間をかけて煮物を作って食べるという行為に孤独感を感じるようになってきてしまっていて、どうもそっちの方が引っかかっている。

もういいよ。煮物は。スピーディにソバなどの麺類を食べたい。そんなことを考えながらポトフを食べた。


次のポトフカレー試食には、人を呼ぶことにしよう。
ここからほど近いところに、大学時代の拳法部の先輩が住んでいる。現役時代は主将も務めた人格者だ。誘いのメールをしてみると色よい返事が返ってきた。よし、楽しくなりそうだぞ。ビールも用意しておこう。


久しぶりの宅飲みに期待するぼく

ポトフカレー

・ポトフにカレールーを入れる
・カレーとして、違和感が全くない
・大根のうまさに驚愕

・★★★★★(今度からすべてカレーはこうすれば良いと思った)

カレーはうまい

ポトフカレーもうまかった。コンソメの味付けはカレーに対して全く違和感がなかったのだ。特筆すべきは大根の2層構造だ。外側はルーがかかったカレー味、内側はダシがよく染みたポトフ味!アイスのピノのしょっぱい版、と言えばこの二層構造の素晴らしさがわかってもらえるだろうか。

ところで、先輩は来なかった。携帯を何度か鳴らしても繋がらない。どうしてだろう?先輩と飲むはずだったビールを飲む。いつも一人で飲むビールと同じ味がした。

肉じゃがカレーは大暴落

さて、次は肉じゃがでカレーを作ってみよう。これもカレーと材料がかぶるところが多い。また、そもそもの肉じゃがの発祥はビーフシチューを和風にアレンジしたものと聴いたこともある。言うなれば安全パイだ。


というわけで肉じゃがを作った。量が少ないのは半分くらい食べてから写真撮ったから
ビール飲んでばっかの写真で申し訳ない

だいぶ甘めの味付けになってしまったが、肉じゃがはうまかった。さっきから「独りで寂しい」とか書いているが、思えば、こんなうまいものを独り占めできるというのは素晴らしいことだ。

もしぼくがアリだったら、甘くておいしいものを見つけたら、巣に持ち帰って、みんなで分かち合わなくてはいけない。独り占めは許されないのだ。
アリが生涯欲しても決して得られない愉しみをぼくは今味わっている。虫レベルに自分を貶めて、ようやく現状を満足できるようになってきた。良いことだと思う。


肉じゃがカレー

肉じゃがにカレールーを入れる
・肉じゃがの甘さと、カレーの味がけんかしまくり、修復不可能、家庭内別居状態
・大量に入っている白滝が強烈にグロテスクなので、写真が載せられない

・★(完食するのがつらい)

困った。もう、見るからにヤバい。恐る恐る箸を付けてみると、味もひどい。ふつうに作ったカレーに、無造作に砂糖を入れた味を想像して欲しい。それが、このカレーの味である。甘めの肉じゃがが災いした形だ。よく、マンガなんかだと、「かわいい女の子が作った、塩と砂糖を間違えた料理」ってのが出てくるけれど、それって、こんな感じの味だと思う。思いがけないところで、おとめチックになってしまったぼくだ。

具に関しても完全に失敗している。特筆すべきは白滝だ。白滝は完全にカレーとあわない。とくに見た目は危険すぎて、写真が載せられない。このグロさに名前を付けるならば、「逆しもつかれ」だ。(この例えはわからなくていいです)

それにしてもまさかこんなことになるなんて、思わなかった。昨日の悪酔いも手伝って、気分が悪い。お腹が痛くなってきた。
このままで終わるのは自分として納得がいかない。何かアイディアを考えなければなるまい。


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