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はっけんの水曜日
 
ホラ貝を吹いて水をぶっかけられるすごい祭り

世の中には色んな変わったお祭りがある。

傍から見ていると明らかにどうかしているし、やってる人自身もどうしてこんなことをしているのかイマイチ分かっていないケースも多いのだが、それを「伝統だから」の一言で納得させてしまうお祭りのパワーってすごいと思う。

そんな中、ホラ貝を吹いている人を道に転がして水をぶっかけるという、ちょっと理解不能なお祭りがあるという話を聞きつけたので観に行ってきた。

(絵と文:北村ヂン



雨を止めるためのザ・奇祭

珍スポットや珍奇祭りなど、変な物を観るのが趣味なので普段からよく行っているのですが、数年前に知ってからずっと気になっているお祭りがある。それが「水止舞(みずどめのまい)」だ。

作物の豊作を願って雨乞いをするお祭りはよくあるけれど、この「水止舞」は逆に雨を止めるためのお祭りらしい。どうしてそんなお祭りがはじまったのかというと、

鎌倉時代、日照りが続き農民が大変困っていた

そこでエライお坊さんが雨乞いをして、見事雨を降らせた

しかし今度は雨が止まなくなってしまい、水害が起こる

そこで今度は雨を止めるお祈りをしたんだとか

この時、喜んで踊ったのが水止舞ということらしいです

諸説ある上に、ざっくりとした説明なので間違っているかもですが、まあ大体こんな由来があるらしいです。

雨乞いをしたら雨が止まらなくなってしまった……というマヌケなエピソードを聞くだけでも「珍」のニオイがプンプンしていますね。さらに、実際のお祭りの様子はそれ以上に「珍」らしいんです。

聞いた話によると、グルグル巻きにされた人が道を転がされながらホラ貝をブォーブォー吹きまくり、水をバンバンぶっかけられるとか……、うーん、文字にしてしまうと全く意味が分からない。

グルグル巻きにされて

転がされて

ホラ貝を吹きまくり

水をぶっかけられる……

こういうことなんだろうか?

いやいや、いくらなんでもそんなどーかしているお祭りがあるワケは……。

あ……

まさか、聞いていた要素が丸々そのまんま繰り広げられていようとは! 

……ということで今回は、衝撃的な珍祭り・水止舞をレポートします!

それは東京で行われていた

大体この手の変わったお祭りって地方でやっていることが多いんですが、この水止舞はなんと東京で開催されているんです。

しかもニフティが入っている東京ベルポートからもほど近い、京浜急行・大森町駅の近くにあるお寺が会場。

この近代的なビルの近くで奇祭が行われていようとは

そんな近場でやっていたとは……。もっと早く来ればよかった。

山奥でやっているお祭りの取材なんかだと、新幹線に乗って、地元の電車に乗って、バスに乗って……と会場にたどり着くまでが大変なんですが、今回はsuicaで行けるような距離で楽ちん楽ちん!

こちらがお祭りの会場であるお寺・厳正寺

午後1時から水止舞がスタートするということだったので、その10分くらい前に会場である厳正寺に到着したんですが、なぜかあんまり人がいない。

「お祭りにしては人が少ないなぁ……」と思っていると、お寺からちょっと離れた住宅街の方からざわめきが聞こえてきた。

みんな住宅街の方に向かっている

「あれっ?」と思い、そちらの方に向かってみると。

うおっ、すごい人出!

閑散としたお寺の前とは打って変わってものすごい人出だ! 水止舞はこの住宅街の中からスタートして、ゴールである厳正寺に向かって行進していくんだそうな。

さて肝心の、グルグル巻きにされて転がされて水をぶっかけられる役の人は……

この人

おっと、すでにグルグル巻き状態に! 盛り上がってきましたよッ!


いよいよ水止舞、スタートです! >
 

 
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