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はっけんの水曜日
 
クレソンクエスト

クレソンをわしゃわしゃ食べたい!

普段あまり大量に食べられないものを、お腹一杯食べてみたいと思った事はありますか。
高価な食べ物だったり、なかなか売っていない食べ物だったり、色んな事情があると思います。

私にとって、そんな食べ物のひとつがクレソン(別名:オランダガラシ)だ。 おもに肉料理の付け合わせとしてちょこんと添えられている完全脇役の菜っ葉。かねてからそんじょそこらの野菜よりもおいしいと感じていた。

一度で良いからクレソンで腹を満たしてみたい。
そんな夢を叶えたいと思っていたら、遠い記憶がよみがえったのです。 

ほそいあや



大量に食べられない現実

スーパーで見かけると買ってしまうが、さすがに付け合わせ用の野菜だけあって少量でしか置いていない。
この量と値段が、毎回フラストレーションを生むのだった。


この値段だと他の野菜のほうがお得だと思ってしまう
おひたしにしたら一口だよ・・・

 

クレソンとの出会い

ちょっとだけ昔話をさせていただくと、私がクレソンという野菜を知ったのは小学生の頃だ。

初夏のある日、犬をつれて近所の野原に遊びにいった時のことだった。野原の奥は沢になっている。くだっていくと、小川でおばさんがなにやら草を摘んでいた。子どもの目には雑草にしか見えなかったが、きいてみるとクレソンという野菜だと教えてくれた。

その時はふーんくらいにしか思わなかったが、大人になって食べる機会が増え、あの苦みと辛みにすっかりはまってしまった。



・・・ならば、あの場所に行けばクレソンが山ほど手に入るのではないか?
さすがに20年以上前なので当時のままの環境を期待するのは難しいが、もしかすると今も群生しているかもしれない。

またあのおばさんがいたらびっくりするけど。


全然変わってない野原

クレソンという名の宝を求めて

野原を訪れると、あの頃と変わらない風景が現れた。沢はまだあるのだろうか。
採る気満々で、家にある一番大きいビニール袋を持ってきてしまった。


この時点ではまだ足取りが軽い

 

どんどん険しくなる行路

のどかな野原から一転、うっそうとした山道に突入した。これ進んで大丈夫なのか。


栗のイガが行く手を阻む
眼下の明るいゾーンに出たいけれど、ほぼ真下

あの頃はこんな険しい道のりではなかったと思うのだけど・・。小学生の自分はほんとうにこの道を下ったのか?

わかりづらいですがすごく急な斜面です

わずかに踏み固められた小道だけが頼り
こんなに山深くなくってもいいと思う

正直こんな山だとは予想していなかった。ぶんぶん飛ぶ蜂をかわし、クモの巣をかき分けながら急勾配をくだる自分が求めているのはクレソン。ステーキの付け合わせの草だ。はたしてこれはバランスが取れている遊びなのだろうか。

コンビニに行くような軽装で来てしまった事を早くも後悔する。持ち物はカメラとダイソーのでかい袋のみ。もちろん人は見あたらない。熊とか出たらどうしよう。


分け入っても分け入っても青い山

坂を下りたら完全に道は消えていた。クロックスで道なき道を進む。これであっているのか?見る限り、少なくとも人の行き来があるような状態ではない。ますます不安になる。もう沢はとうの昔に枯れてしまっているかもしれない。

顔の高さまでの草を手で押しのけながら、あとどれくらい進んだら引き返そうかと諦めの気持ちが芽生えはじめた。


しかし、ここまでの冒険は無駄ではなかった!

けもの道を抜けたら、視界がぱっと明るくなった。
目の前にはあの頃と同じ風景が広がっていた。

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