食べました

正直にいうと、悩んだというのはウソだ。
悩んだっていうことにすればいいっか、という決断をしただけである。
内野フライに全力疾走して美しいのは高校生までだ。

今度は本当に悩んだ

ここからだとフェリーに乗った方が家に近いな。
そういう思いが頭をよぎった。
このまま久里浜までフェリーで引き返してしまった方が、自宅には早く帰れる。
3周できないとわかった時点で、気力もなくなっていたので、もう早く帰って風呂に入りたいのだ。

そうもゆくまい

3周できるはずが2周しかできないのは天候のせいで言い訳もつくが、ここで戻っては1周半にも満たない。
しかも、理由は早く帰りたいからではさすがに説得力がない。

たぶんバレてしまうと思うから書くが、僕が鯵のタタキだけを食べておいしかったですというはずもなく、こっそり1本だけビールを飲んでしまったのだ。

そうでもしなければ、この萎えた気力では自宅までの道のりを過ごせないと思ったのだが、ビールを飲んだことでさらに気力が失せた。

いくらなんでも、途中でビール飲んで早く帰りたくなって戻ってきたんでは、人間として失格である。

気を取り直してゴールへ

優勝争いの終わったあとの消化試合をこなす野球選手は、さすがプロだなと思う。
あとは電車に乗っているだけなのに、その電車に乗っているのがつらいのだ。
乗りものに乗るのが大好きな自分だが、目的を失うというのは自分を失うことに等しいのだと思った。

といいつつも、車窓から夕日になりかける海を見ていると気持ちいい。
でも、もう1周できるかもしれないと思いながらこの景色を見たかった。

帰りましょう

君津駅で乗り換えると、このままスタート地点の西大井までは1本だ。
通勤時間帯で混雑しそうなので、最後に贅沢をして（自腹で）グリーン車に乗った。
もう、あとは帰るだけだ。