きれいな葉っぱは食べられないのか
やはりオフィス街での昆虫採集は無理なのか。
もちろん東京にも緑はたくさんある。たとえばここ東京国際フォーラムという超かっこいい建物の隣にはきれいな緑がたくさんあってさながら都会のオアシスだ。
ここになら虫もいるんじゃないのか。
木を見上げ、葉を裏返しながら虫を探す。再び虫視点で探してみる。
一つ一つ見ていくと、どの植物も色鮮やかできらきらしていてリゾート地にいるような気分になれる。しかしそこが虫的に気にくわない。
観葉植物としてそこに存在しているからには、常にきれいでなければならないのだろう。人の目を楽しませるための植物なのだ。おそらく我々虫が食いにくい葉をえらんでいるのではないだろうか。
思った通り虫食い穴ひとつ開いていなかった。
コガネムシがいました
居場所を求めて彷徨っていると、街路樹にすでに時期を終えたアジサイの木を見つけた。さすがに花は枯れてしまっているが、なぜか葉っぱも穴だらけになっている。
これはまさか。仲間の仕業だろうか。
いた。
虫いた。
アジサイの木にはコガネムシがたくさん集まっていた。たぶんこの都会で食べられそうな葉っぱを探したところ、これしか見つからなかったんじゃないだろうか。一見あまりうまそうではないが、背に腹は代えられぬと集まってきたのだろう。
よく見るときもちわるいくらいの数のコガネムシが葉っぱを食べていた。いくら食べられる葉っぱが珍しかったとはいえ、集まりすぎだろう。
ということで、都会で虫を探す時は観葉植物意外の葉っぱ、特に枯れかけのアジサイを探すといいということがわかった。
とはいったものの足にマメができるまで歩いてみたが、これほど虫が食べていた街路樹は他になかったので一般的に通用するような話でもないかもしれない。
ではあてもなく探すのではなく、積極的に虫を集めてみてはどうだろうか。森で集める要領で都会でも虫は集まるのだろうか。