小林さんに吸い方を教わる
パイプには三回に分けて煙草の葉を詰める。最初はゆるく、上にいくにしたがって堅く詰めるのがコツらしい。
ちなみに、詰め方のコツとして「一回目は子どもの手、二回目は女性の手、三回目は男性の手で堅く詰める」という言葉もある。
アドバイスも何となくハードボイルドな気がする。
最初はパイプを吹かしながら葉全体にまんべんなく火をつける。徐々に葉が盛り上がってくるので、タンパーと呼ばれる棒で軽く整え、また火をつける。
さすがに小林さんの手つきは鮮やかだ。
ゆっくり吸えばたっぷり30分〜1時間は楽しめるという。吸ったときに熱さを感じたら葉はほぼ燃え尽きていて、吸い終わりの目安だ。
ちなみにパイプの持ち方は自由だが、初心者は「ボウル」と呼ばれる先端部分を軽く握るのがいいようだ。そんなところ持って熱くないのかしらと心配になったが、やさしくゆっくり吸えば大丈夫とのことだった。熱いのや痛いのが苦手なハードボイルドでも安心である。
逆に吸い方が粗いと焦げてしまいパイプの寿命を縮める上、舌も荒れるらしい。
また、煙草の葉は50gで1000円くらい。50gで12回分吸えるので一服約83円である。一日2回吸っても1週間もつので、長い目でみれば紙巻き煙草より経済的かもしれない。
ということで、一本購入してみた。
写真がいまひとつハードボイルドじゃないのは(モデルの問題はさておき)ここが実家だからだと思う。生活感にじむ実家とハードボイルド。あまり相性がいいとは思えない組み合わせである。
それはさておきパイプ喫煙は、初めて紙巻き煙草を吸ったときの感覚に似ていた。脳天と肺にガツンと衝撃が走る(パイプには紙巻き煙草のようなフィルターがないので、あまり勢いよく吸わない方がいいみたいです)。
そして、何よりものすごく心が落ち着く。 小林さんがパイプ喫煙は時間と心に余裕があるときに楽しむものだと言っていたが、まさにその通りだと思った。
手入れも大変ですが、それもまた醍醐味
小林さんによるとパイプは一回の喫煙ごとに手入れをするのが望ましいという。しかも喫煙直後はパイプに熱が残っているので1〜2時間冷ましてから、モールで丹念に掃除する。
大変な手間であるが、こうしたメンテナンスの苦労も含め、全てがパイプの醍醐味なのだ。
平日の一服には向かないが、ゆっくりパイプの煙をくゆらす貴族のような休日を過ごしたいときにもってこいである。
ハードボイルドというより、おじいちゃんみたいな結論になってしまいました。