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ひらめきの月曜日
 
カビキラーと大根おろし器でTシャツを一新する

おもしろいほどの難航

いきなり結果から言うと、残念ながらこの方法も上手くいかなかった。


マスク部分の下で液がしみないように、軽くスプレーしたら 手で全体になじませた

が、やはりスプレー部分が染みた。惨敗 薄く色が抜けて上手く縞が出ている部分もあるので惜しい

カビキラーで抜染するときの豆知識

・吹き付けるときの「ぶちゅっ」の量は思った以上に多い

やはり一回のスプレーの「ぶちゅっ」がきれいに色を抜くには多いのだった。

今回、この企画を行うにあたってスプレーで吹き付けることにできるだけこだわりたかった。

「お風呂掃除するのと同じ方法で、シャツをおしゃれに!」

って、ヘンで面白いじゃないか。だから、シュッシュッ(実際は、ぶちゅっぶちゅっつ)して色を抜きたかったのだ。

そのこだわりが裏目に出てしまった。もう、スプレーにはあきらめよう。このままでは惨憺たる部屋着で毎日を過ごすことになってしまう。

マメ知識をふまえた対策

・スプレーはやめて、筆を使ってカビキラーで文字を書こう

お手軽漢字Tシャツのご提案

というわけで、スプレーから吹き出させずにどうしようと考えて安直ではあるが、液を筆にとることにした。


カビキラーを含ませた筆で文字を書く

取り扱いを注意せねばならないカビキラーを別の容器に移すのは、私にとってはかなりの冒険であった。

静かに紙コップに移し、アクリル製(カビキラーは獣毛のハケは使用禁止と容器に書いてあったのだ! やっぱりいろいろ怖い!)の筆にふくませた。

選んだTシャツの色が薄かったのも、一筆でなかなか色が抜けず、運筆に手間取ってしまう。ぬおー。


一筆を何度も書く。書道的にかなりNG 完成……

カビキラーで抜染するときの豆知識

・色の薄い布地の色は、当然あまり色抜けもしない
・筆はかなりピンと布地を張らないと上手く運べない


そもそも字がうまいほうではないのだ。上手い字を書くための準備というものが必要だった。それは

一、下書き
一、書きやすいように布地を張る
一、書いてすぐ色が抜ける素材(色の濃いもの)を選ぶ

以上だ。これはやってみて分かったことだが、やらなくても考えれば分かることだろう。

ちなみに「浅草」というのは、Tシャツに漢字といえば浅草だろう、という発想からそうなったまでで、特に深い意味はない。

このTシャツは夫が下着として着ることになるのだろう(前ページの地獄Tシャツともども)。そしてその夫と一緒の部屋にいるのは、先ほどのからし色のタンクトップを着た私である。


マメ知識をふまえた対策

・やはり、フリーハンドは難しいので、きれいな型を用意しよう
・少量の液で色が抜けるように、濃い目のシャツを使う


ロゴの型で抜こう きれいに切り取って……

どう思うかはあなた次第という出来

「いよいよ成功させないとまずい」という思いからか、うっかり型を作ってからスプレーするまでの写真の撮影を忘れてしまっていた。

方法としては、シャツの上に紙の型を載せ、カビキラーはゴム手袋の上にスプレーして手でぬった。

手元には上の写真の次に以下のような写真がメモリカードには収められていた。


デイリーポータルZはメタルバンドになりました

スリップノットという、メンバー全員がそれぞれに怖いマスクをかぶっているバンドがある。

むかし音楽雑誌に載っていたインタビューの最後の部分にインタビュアーの感想として「なにしろ彼らは、くさい」と書いてあるのを読んだのだ。出来上がったTシャツを目の前にして、なんとなく、それを想い出した。


カビキラーで抜染するときの豆知識

・色が濃いと、ほんの一滴ついただけですぐ色が抜ける


なにしろ、これまでと比べると格段によくできたとは思う。デイリーポータルのライターでいうと、大北さんとか尾張さんみたいな雰囲気のおしゃれな人が来てくれればいけるんじゃないか。

ただ、うちの父が着ちゃうともう何が何やらどうにもならないという、諸刃の刃的な仕上がりだと思う。

もうおしゃれにしたいとは言わない。なんとか普通なものができないものか!


マメ知識をふまえた対策

・やはりカビキラーは筆で乗せよう(とびはね防止のため)
・型はしっかりしていて単純なものを使おう

・そうだ、大根おろし器だ


冒頭の写真ですでに寄り添わせていましたね

そこで登場するのが、大根おろし器

ここまでの奮闘で得た知識の結果、カビキラーでTシャツの色を抜くのに適した器具は、

・厚みがあって染みず
・型の抜けている部分の間に適度なスキマがあるり
・それでいながら、デザイン的に普通であること

以上が必要だ。

普通のデザイン……。水玉模様とかだろうか。

そこで見合うものを家を探して見つけたのが、大根おろし器だったというわけだ。


これも部屋着にしようと思っていた青いシャツ 左3分の位1だけ水玉模様にしてみます

もはや大根おろし器の他に頼れるものがないのだ。なにとぞお願いいたします!

大根おろし器のまるい枠に軽く液をしみこませた筆をそっと入れて回す。ぽち、ぽち、ぽちと繰り返した。


ようやく、ちょっと普通のものが!

ど、どうだろうか。きれいなドットにならなかったことが、かえって豹柄のような雰囲気になってるんじゃないかしら。


ね、ね! 普通に着られてますよ!

実は、脱色の後も大変でした

上の写真ではシレっと着ているのだが、実は脱色した後も大変だった。1着づつざっと水洗いしてカビキラーを落とす間、その水でまた別の場所で脱色が進んでしまったりするのだ。

とにかく、カビキラーの威力がすごいといことが分かった今回であった。

ちなみにその後、さらにもう一度洗濯機ですすいでから最後に他の洗濯物と一緒に洗ったら、どっからかティッシュが出てきてティッシュまみれになった。なんというか、全体的に家事が向いていないということか。


1枚1枚コロコロをかけて取りました

うっかり色落ちしちゃったときにいいかも

思った以上に難しかった。染物をしたり布を扱うスキルがまったくなかったのも問題だが、全体的にカビキラーを恐れて「とにかく早く作業をすませて換気しなければ」と焦っていたのもいけなかった。

最後の青いタンクトップは、その後家族や友人に「どう、どうよ」と見せても誰もが「うん、普通」と言ってくれるほどの出来栄えだったものの、やはりもともとの品物以上に高めることはできてない気がしている。

お風呂を掃除していてうっかりシャツの色が落ちちゃったとき、それをごまかすために追加でわざと色を落とすぐらいだったら、ありなんじゃないかと思う。

今回使った大根おろし器は捨てようと思っていたお古だったのだが、このまま服の色を抜くとき用として保管しようと思います。

手袋を脱いだりはめたりしながら写真を撮っていたら、少し手荒れしました。 畏怖!

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