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はっけんの水曜日
 
足の小指を守る研究


この写真を撮るために普通に小指をぶつけた。リアルに痛い。

先日、足の小指を柱にぶつけた。がっ!と勢いよくぶつけて悶絶した。生まれてこのかた、小指は何度もぶつけているが、いつも痛くて仕方ない。

先日、クライミングの約束をした友人の一人が来ないので連絡をしたら、「タンスに足の小指をぶつけて、あんまり痛いから病院に行ったら折れていた」のだという。

危険だ。弱点だ。弱点は守らなければならない。守りたい小指がある。だから、小指を守るために研究してみることにした。

自由研究がまだの小学生はこの記事を写したら良いと思う。中学生は多分怒られると思うからやめといた方が良いだろう。

松本 圭司



小指を守るためにどうしたらいいだろう

まず小指を守ると言っても、どう守ればいいのか判らない。そんな時は専門家に頼ればいいと思う。そこで、ネットで調べたら小指を守る事について研究している人がいた。棚ぼた。

棚ぼたは食べるに決まっている。据え膳であり渡りに船であり地獄に仏。早速その研究者に連絡を取って取材に出かけた。


小指をぶつけた痛みほど、やるせない痛みもないだろう。

松本小指防衛研究所にお邪魔した

出かけた先は都内某所の某マンション。ドアには「松本小指研究所」という紙が貼られていた。奇遇にも僕と同じ松本姓だ。松本という名前の人は大体いい人だから安心だ。


呼び鈴を鳴らしてみる。

なんだその恰好は。

呼び鈴を鳴らすと小指防衛研究者の松本さんが出てきた。房総なまりで、語尾が「ぺ」になっている。僕も房総出身だが、東京にいると房総弁を忘れてしまうので懐かしい。

小指防衛研究の松本さん(以下小指研)「よく来たっぺ、はや上がれさー(よく来たね、早く上がりなさい)」

房総弁の訳をいちいち書くのは読むのも書くのも大変なので、以後は標準語で書く。

この記事を書いてる松本(以下筆者)「こんにちは、今日はよろしくお願いします」

小指研さんでは、10年前に小指をぶつけて小指がもげそうになったのをキッカケに、小指を守る研究をしているのだそうだ。そうか、もげそうになったのか。そりゃ大変だ。

小指研「じゃあ早速小指を守るための研究をしていきましょうか」

筆者「ん?研究を、していく?ですと?」

小指研「ああ、話してなかったっけ。小指をぶつけてもげそうになったのは10年前だけど、研究所を作ったのは3日前なんですよ」

筆者「え、3日前」

小指研「そう、3日前」

筆者「去年の3日前ですか?」

小指研「いえ、今年の3日前。具体的に言うと2009年8月16日」

筆者「さようならお疲れ様でした失礼します」

小指研「待て待て待て待て」

筆者「いやいやいやいや。だって3日前じゃ、まだあんも研究してねーって事だっぺおー」

小指研「そりゃそうだっけんがおー、オラと一緒にやんべーよー。(そうりゃそうだけど、僕と一緒に研究しましょうよ)。」

あ、房総弁漏れた。

小指研「だって小指を守るために来たんでしょう?世界中の恵まれない小指のために頑張って研究して記事にしましょうよ」

筆者「うーん」

小指研「ホラ、小指を守れるようになるとモテますよ」

筆者「マジですか」

小指研「マジです。モテモテですよ。寄せてくるOLとか女子大生の波を抱いては縦四方固め、持ち上げては一本背負いですよ」

筆者「フムフム、そいつはすごいですね」

小指研「すごいでしょう。ほら、研究したくなった。小指を守ってモテましょう!縦四方固めし魔性!」

筆者「そうし魔性!」

こうして小指防衛研究が始まった。

※説明するのも野暮だし恥ずかしいから説明したくないんだけど、僕の事を知らない人も読んでるだろうから書いておきます。今回の記事は、筆者が小指研の人も演じる、「脳内小芝居」で展開します。なので、小指研ってのは無いし、出かけてないし、撮影してるのは筆者の家だし、小指を柱に何度も打ち付けて痛がってるのも筆者です。


フリース地の布きれ。薄いけど大丈夫ですか。

最初は布を小指に巻くそうです

基本的に小指をなにかで覆い、防御力を上げるという方向で小指を守るのだという。

小指研「防衛は最大の防御!」

筆者「そのまんまじゃねーか!」

展開の都合上、最初から防御力が高すぎる素材は使えない。段々強くならないと面白くない。まずはほら、僕が痛がる絵とか欲しいじゃないですか。

だから敢えて布なのだ。ドラクエでも最初は布の服じゃん。


頼りない。大丈夫かよ、これ。

セロテープで止めた

小指にフリースの布を巻いてセロテープで止めた。今回の記事では小指研さんの足ばかり映る。やや見苦しいがご容赦のほどを。

小指研「うっさい」

では、早速守備力が上がった小指を柱に打ち付けていただこう。

筆者「じゃ、頑張って下さい」

小指研「キミ、楽しそうだね」

筆者「人が痛がる姿って楽しいじゃないですか」

小指研「ひどい性格してるね、キミは」

筆者「うっさい!」

 

さぁ、どかーんといってみよー!!


チャー。

シュー。

メーン。ギャー!

アホかっつーぐらい痛い。もう少し加減とか出来る性格ならよかったのだが、加減無し、ガチで小指を打ち付けた。

痛い痛い、超痛い。

小指研「いたー!痛いっぺおー!」

筆者「あははははははははははははは」

小指研「笑いすぎだっぺ」

筆者「あははは、ひー、ひー、えぐっ」

小指研「笑いすぎでえづくなっつーの」

筆者「す、すみません。あんまり痛そうなんで

小指研「痛いよ!」

筆者「当たり前ですよね、あははは、布なんて、だって、靴下と一緒じゃないですか、あははは、そんなので防御出来れば苦労しないですって。」

小指研「知ってたよ!前振りだよ、前振り。本番は次。」

筆者「ホントですか。次の勝算は?」

小指研「フィフティーフィフティー」

筆者「半々かよ!」


ティラノサウルスの化石フィギュアが入ってたスポンジ。

スポンジだ

布の次はスポンジだそうだ。スポンジなら防御力強そうだ。今度はしっかりと小指を守ってくれそうだ。

筆者「スポンジですか。これはいけそうですね。」

小指研「そうだろそうだろ。」

筆者「このスポンジ、なんか変な形に凹んでますが、なにが入ってたんですか?」

小指研「T-REX」

筆者「20世紀少年の」

小指研「ちがうちがう。恐竜の」

筆者「それはすごい。デカイんですね。」

小指研「もう変なボケはいいよ」

筆者「つめてー事言うなおー」

小指研「房総弁もいいおー。このスポンジを削りだして、小指プロテクターを作るのだ!助手!出来たか!」

小指助手「はい、出来ました!出来てました!」

それがこれだ、どーん!ビカビカビカ!


半球形に切ったスポンジの真ん中に指を入れる穴がある。
足の小指に装着した様子。頼もしいな。

 

勝利の瞬間を見よ


チャーシュー!

メーン!ボキーン!

 

すっげぇいてぇ


段々この企画を辞めたくなってきてる。

筆者「大丈夫ですか?」

小指研「スポンジの先端部分が薄いの!さっきの布は、実はちょっと加減したんだけど、スポンジは勝利の予感がしたからさっきより強めに打ち付けたの!でも全然痛いの!スポンジの意味がないの!」

筆者「いや、足じゃなくて頭とか」

小指助手「ですよね」

小指研「お前がいうな!次行くぞ!次!」


小指にペットボトルの蓋を装着。装着っていうか、指力で挟んでるだけだけどな。

3つめはアプローチを転換

筆者「博士ー、ホントに良いソリューションが見つかるんですかー?さっきから失敗ばっかりですけどー」

小指研「さっきまではクッションを入れて衝撃を和らげようってコンセプトだったっぺ。でも次はちょっとアプローチを変えてみるっぺ」

筆者「どうするんですか?」

小指研「軟がダメなら硬だよ、キミ。外骨格だよ、外骨格。強化外骨格でいくぜ!助手!」

小指助手「ペットボトルの蓋をお持ちしましたニャ!」

小指研「あ、猫だったんだ」

小指助手「人間ですニャ。でも語尾がニャの方が人気が出ますのニャ。人気を稼ぐのは良いことなのニャ」

小指研「狙いすぎだワン」

筆者「あ、犬だったんだ」

 

でっかい花火上げたるでー!


ワーン!

ターン!

タンタンタンタン麺!指の間がいてー!

 

本日最高の痛さ


メガネもズレる痛さ。正直最初から判ってたよ。

筆者「あーあ」

小指研「アホか!こんなもん痛いに決まってるだろ!」

筆者「そりゃそうだブー」

小指研「語尾にブーって付けるな!妙に腹立たしい!」

筆者「ごめんブー」

小指助手「先生、あまりにオバカだブー」

小指研「お前もかワン!」

筆者「あ、まだ犬引っ張るんだ」

次のページではもう少し効果的なソリューションを探る。


お遊びは終わりだ >
 

 
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