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ちしきの金曜日
 
もしも各地の祭り同士が戦をしたら…


 

もしも祭が戦(いくさ)だったら?
各地の祭り同士が戦をしたら強いのはどこだろうか?
ある時ふとそんなことを考えた。

意味がわからないかもしれないが、いきなり具体的に考えを推し進めていこう。細かい部分を考えていくことで全体の概念が少しずつ掴めて来るものと思う。

T・斎藤



基本の考え方

最もオーソドックスな祭りのカタチと言えば、やはり
「お神輿を担ぐ」ではないだろうか。

この場合の戦力を考えると、


お神輿イメージ。
(「お神輿でハイテンション」より)

御輿は大きければ大きいほど攻撃力・防御力共に高いだろう。また担ぎ手の数が多ければ多いほど優位に違いない。
つまり、オーソドックスな祭りの戦力は
・御輿の大きさ
・担ぎ手の人数
に比例する。


なぜか最弱の祭りが充実している当サイト。
(「勝手にひとり神輿」より)

御輿=攻撃拠点、担ぎ手=兵士みたいに考えたらわかりやすいかもしれない。盆踊り会場みたいなところがあれば、そこが「城」だろうか。

しかし、全国の祭りにはさまざまな形態があり、実際の戦力はそんな単純に割り出せるものではない。たとえば…

 

長崎くんちの戦力は?

 長崎在住の私にとって最も身近な「長崎くんち」を例にとり、その戦力を具体的に考えてみよう。


読者のみなさんも適宜、自分の県の祭りに置き換えて
考えてみてください。

長崎くんちは、「奉納踊り」と呼ばれる出し物が、毎年5〜7つほど出る。有名な龍踊り(じゃおどり)もそのひとつだ。

くんちの出し物の中でも人気の高い龍踊り。その特徴は機動性の高さ。
各パーツがバラバラに動くので店の中とかにも入っていける。

いきなり怪獣映画のようなファクターが戦力に加わる。

奉納踊りは、毎年内容が異なり、7年で一周する。これは敵に「手の内を読ませない」というメリットがあると思われる。たとえ敵が龍踊り対策を万全にして挑んで来たとしても、翌年は龍の姿は無いかもしれず、代わりに座布団を重ねたものが攻撃してくるかもしれないのだ。



まったく形状の異なるものが待ち受けているかもしれない。


かと思えば龍が2体になって現れることも。

こういうのが同時に5〜7つ、毎年組合せを変えて出て来る。
それは巨大戦艦系だったり、はたまた美女たちによる相手を翻弄する踊り(謀反狙い)だったりと、実にバラエティーに富んでいる。



龍宮船は煙を吐いて攻撃。

巨大戦艦系もいろいろ。

さらに、「傘鉾」と呼ばれるものが、それぞれの出し物と同じ数だけ登場する。

傘鉾。

傘鉾は、その見た目の強そうな感じとは裏腹に、中に一人しか入っておらず、補助の人がいなければ歩くことすらままならない。つまり戦力としてはあまり期待できない。専ら、数を多く見せることで、敵の戦意を喪失させる役割を担っている。
(本当は各出し物のプラカード的役割を担っています)


すごくでかいが、中に入ってる人が一人で動かしている。

さらに、長崎くんちにはいわゆる御輿も登場する。しかも3体。実は祭りの本質的にはこっちが主役で、さきほどの奉納踊りはその護衛役という位置付け。

加えて、いわゆる御輿も出る。しかも3体。

御輿の移動の際は大名行列が形成され、
さまざまなキャラが登場する。

天狗も登場。戦力アップ!
(毎年「天狗」と言ってしまうが、正式には「猿田彦」。)

竹を引きずって歩く人。

・御輿×3
・奉納踊り(龍踊りなど)×5〜7
・傘鉾×5〜7
+それらをサポートする数多くの人々。
以上が、おおまかに見た長崎くんちの戦力である。

さすが、日本3大祭り()と言われるだけあり、いわゆる御輿1コのオーソドックスな祭りと比べると、格段に高い戦力、変幻自在な戦術を持つと言えよう。

日本3大祭りと言われる祭りは20個くらいあるらしい。)

VS唐津くんち

次に、比較としてお隣、佐賀県の「唐津くんち」の戦力について考えてみたい。私はまだ見に行ったことがないが、テレビでちらっと見た様子ではかなり凄かった覚えがある。


このステッカー面白いな。

佐賀在住の知り合いに電話して聞いた話や、ウェブで検索した幾つかの情報によると、それは

・曳山(やま)と呼ばれる巨大な山車のようなものが全部で14台出る。
そうだ。

14台かぁ…。
けっこう多いな。


知り合いに写真を送ってもらった。こういうのが延べ14台出るらしい。

しかもでかい。

これとか強そう…!

数だけ見れば、14なので長崎くんちの奉納踊り(5〜7)よりもだいぶ多い。3つの御輿を加えてもまだ足りない。傘鉾をカウントすれば数の上では上回ることができるが、あれを戦力としてカウントしていいものかは微妙なところだ。

一方、ひとつひとつの戦力はどちらが上なのか?
長崎くんちの奉納踊りにはバックバンドや交代要員など大勢の付き人が付いて回る。例えば龍踊りだったら100人くらいの軍団となる。対する唐津くんちの方はそのあたりの情報がよくわからない…。

正確なところを知るためにも、今年はぜひとも唐津くんちを見に行きたいと思っている。

私が考える最強の祭

という感じで、有名な祭りともなるとそれぞれ強そうであり、なかなか甲乙付けがたいものがある。

京都の祇園祭もとても強そうだ。
見たことはないのでこれもネットの情報を元に推測してるだけだが、高さ25m、重さ12トンもある鉾と呼ばれるものや、重さ1.2〜1.6トンの山と呼ばれるものが、全部で32基も出るという。

諏訪の御柱祭は7年に一度しか行われないが、10トンもの重量の大木を山の上から、計16本も落とす。その破壊力は計り知れないものがあろう。

が、しかし、全国の数ある祭りの中でも特に私が
「これが最強では?」
と思ったもの、それは何かというと…。

精霊流し最強説

あくまでも個人的な考えだが、私は長崎の「精霊流し」が最強ではないかと思っている。

「え?それって祭りだったの?」
と思った人、正解!

精霊流しは祭りではない。
精霊流しは毎年初盆を迎える家が、故人を送り出すために行う弔い行事である。と、その目的だけを聞くとさもしんみりした行事みたいだが、これがおかしなことに、おそらく戦ったら一番強いんじゃないか?と思ってしまうほどの、圧倒的戦力があるのだ。そしてヘタな祭りよりもなんだか祭りっぽい。


弔い行事だが、なんだか戦ってるようにも見えてくる。

精霊流しは長崎県内の各地で行われる。
そこに登場する船はなんと延べ約3500!

船の大きさは大小さまざまで、小さいものは住さんが担いでいた御輿より小さいものもあるが、大きいものになると普通の御輿3つ分よりもっと大きかったりする。



遠近感狂う。こういう船が毎年3500ほども出る。

これ全部、爆竹の燃えカスです。

そして圧倒的火力。
誰もが花火消費量日本一を疑わないほどのものすごい量の爆竹がこの日一日で消費される。関東から引っ越して来た私などは「どうして弔い行事がこんなに賑やかなの?」と毎年不思議に思うくらい。

ただでさえ船が3500と多いのに、さらにそれぞれが大量の火薬を持っている。これが、私が精霊流し最強と考える根拠である。



これがもしあなたの街に攻めて来たら…?

動画でもどうぞ。(中心部からだいぶ離れた場所なのでこれでもかなり静かな方。)

弱そうな祭りにも惹かれる

一方、各地の祭りには戦力そっちのけな祭りも数多くある。

たとえば島原は西有家町で行われている「みそ五郎祭り」。この祭りの主力となるのは、みそ五郎という大男ただ一人。

みそ五郎祭りの主戦力。

主力が一人というだけでも心細いというのに、この
「そういうの関係ないっす」
という雰囲気。すごくいい。


 
 

 

 
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