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船橋の漁師ということですが、船橋の海で漁をするほど魚が獲れるんですか? |
大野 |
船橋で魚を獲るわけではなく、魚を追いかけて東京湾のどこにでもいきます。 |
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港が船橋なだけで漁場は違うんですね。 |
大野 |
巻き網漁っていうのは、船を走らせて魚を探しながらの漁なので、一日に軽油を約2400リットル使う。だから魚がとれなければ大赤字。当然乗組員の人件費なども掛かるので、最低150万円分の水揚げがないと会社にお金は残らない訳です。 |
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魚150万円分ってすごい量なんでしょうね。以前ガソリンが値上がりしたとき、漁師達が抗議していた理由がよくわかりました。 |
大野 |
まあスズキだったら1トンは獲れないと。そろそろイワシも少し獲れる時期だけど、まだ仕事にはならないかな。 |
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当たり前だけど、魚を獲ることが「仕事」になると趣味でやる釣りなんかとはスケールが違いますね。 |
大野 |
何を獲るか、その日出漁するかどうかは、費用対効果を考えて決めます。魚が深いところにいっちゃう冬場や悪天候の日は、自主休業をして船や網のメンテナンスに充てます。今年の7月は風の吹く日が多く、10日程度しか海に出られなかった。 |
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漁をしない日はお酒を飲んで寝ているっていう訳ではないんですね。 |
大野 |
うちの乗組員は船に愛着があるから、メンテナンスなども自分たちで責任持ってやる。だから船も網も常に状態がいいんですよ。今日もせっかく来てもらったけれど、風が収まらなそうなので、漁は中止して朝から網のメンテナンスだな。 |