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ロマンの木曜日
 
世界一のコンクリートダムを見てきた


すごい景色とすごいダムにKO寸前

10年くらい前に、ダムというものの魅力に取り憑かれて以来、僕は全国各地のダムを訪ねてまわってきました。

そのうち、国内だけでは飽き足らず「海外も見てみたい」と思うようになったのは自然な流れでしょう。憚らずに書けば、ノモやヒデが辿ったのと同じ道。いや、同じではないけど。

調べてみると、世界最大のコンクリートダムがスイスにあるらしい。スイスなら、海外初心者の僕でもひとりで行ってこられるんじゃないか。

というわけで、無謀にも「海外ダムめぐり」に出発したわけです。中編の今回は、いよいよ世界最大の重力式コンクリートダムを見に行きます!

(前編はこちら→「スイスのダムめぐり(前編)」

萩原 雅紀



前半の拠点

もし皆さんがスイスのダムめぐりに行くことになったら、現地での拠点のひとつとしてぜひおすすめしたいのが、スイス南西部ヴァレー州の州都、シオン。古い城と教会が建つ2つの丘を街がとり囲んでいるという、そのままドラクエなんかに出てきそうなシチュエーションです。


ここはシオンの街よ(マウスオーバーで古城と教会の位置)

なぜこの街がダムめぐりの拠点に最適かと言えば、下の地図を見てもらえれば一目瞭然。東西に流れるローヌ川を挟んで、南北をアルプスの高い山に囲まれ、そこにスイスを代表する巨大なダムがたくさん造られているのです。

もちろん今回いちばんの目的地、世界最大のコンクリートダムもこの街が最寄り。ほら、なんだかワクワクしてきますよね?



より大きな地図で スイスのダム を表示
行けなかったダムも含めて周辺のダムいちらん(縮小するとスイス全土のダムの位置が見られます)

シオンの街は大きく賑やかで、高速道路の出入り口もあるので、1時間ちょっとでいろいろなダムに行けてしまいます。僕はここに3泊して毎日ダムを観に出かけました。ダム好きからすれば本当に天国みたいな街で、いずれは移住したい、とすら少し思いましたが、食べ物が全体的に合わなかったので思いとどまりました。


宿泊したホテルはビジネス+αという感じ 目の前にあの教会の丘が!
シャワーカーテンがなぜかカエル柄 てきとうに頼んで出てきたある日の夕食

宿泊したホテルはちょっとお洒落なビジネスホテルといった感じで特筆するものはありませんでしたが、地球の歩き方にも載っていたのでひと安心。ダムはひとつも載っていなかったけど。

困ったのは、フランス語圏なのでレストランのメニューもすべてフランス語でまったく分からず、てきとうに頼んだら上の写真のが出てきました。名前は忘れましたが、耐熱皿の上にパンと厚切りのハムを敷いて、上にチーズをどっさりかけて卵を落とし、オーブンで焼きました的な食べ物。マッシブなたんぱく質っぷりにびっくりしました。あとあまりに味が単調だったので食べきれませんでした。すまんよレストランのおっちゃん。

このままだとふつうのスイス旅行記になってしまうので、そろそろダムに行きます。

 

Zeuzierダム

さっそく世界最大のコンクリートダムに行きたいところですが、記事の盛り上がりとか、いろいろこちら側の事情によって、まずはシオンの北側の山脈にある2つのダムに行ってみます。

大丈夫、こっちも本当にすごいから。



より大きな地図で スイスのダムめぐり を表示
Zeuzierダム(右)とSanetschダム(左)

Zeuzierダムは、シオンと隣街のシエールとの間の谷をどんどん遡った場所にある発電用のアーチダムで、高さは156m。

156m、と言えばダム好きの皆さんはもうピンときてますよね。そう、日本のダムで言えば宮ヶ瀬ダム(神奈川県)、浦山ダム(埼玉県)、温井ダム(広島県)と並ぶ、いわゆる「花の156m組」。


日本が誇る「花の156m組」、浦山ダム(左)、宮ヶ瀬ダム(中)、温井ダム(右)

Zeuzierダムは高さと比較して幅が短く、アーチの円弧がキツい印象。そして156mの数字に違わぬ高さ。下を覗き込むと、思わず背筋がゾクッとするリアルな距離感でした。

日本の156m組と比べて、もちろん優劣などないのですが、強いて言えば名前がZから始まるのがかっこいいです。


半世紀以上ここに建つ風格がにじみ出ている(1957年完成)
クリックすると大きな写真が表示されます

前編で紹介したダムたちと同様、堤体には放流設備などがなにもなく、とてもシンプルなたたずまい。すぐ下流の川底がキュッと狭くなっていて、いかにもダムを造ってくださいといった地形です。


思わず背筋に緊張が走る高さ ぐにゃっと曲がった地層、過去ものすごい力がかかったんだろうなあ

そして、堤体の脇でスイスに来て初めてゲート式の洪水吐を発見!

しかしそのゲートが特徴的で、横軸のバタフライバルブのようなゲート。初めて見ました。でも、ほとんど動いた形跡はありません。発電用ですし、流れ込む川もそんなにないので、放流なんてまずないんだと思います。


見たことないゲートの洪水吐 そして隣にはなぜか十字架が!欧米だ!

また、その目の前にはかわいいレストランが建っていました。ここ、シオンから数十分かかる山の中で、周辺にも特に何があるというわけでもないのですが、大勢の人で賑わっていました。


かわいい門がついてるレストラン 写ってないけど駐車場はほぼ満車だった

そうそう、周辺には特に何があるわけでもない、と書きましたが、ここのダム湖はちょっとした絶景でした。


なんというか、その、もう、ため息しか出ない(クリックで大きな画像が表示されます)

スイスではどこのダムでもそうでしたが、ここも貯水池の湖畔に遊歩道が通っていて、ぐるりと一周できるようです。湖の対岸の方から人の笑い声なども聞こえたので、多くの人が山に入ってハイキングしているようでした。


こんな天気ならハイキングもしたくなるな 山道があるとすぐに歩き出すヨーロッパ人

ダムもさることながら、周辺の風景の景色の光景といったら!

すっかり魅了されて、次のダムに向かいました。ところが、そこでさらにすごい光景に出会ってしまったのです。


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