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ひらめきの月曜日
 
富士下山道の「砂走り」を体験してきた

絶好の登山日和

9月上旬の富士山は大層寒いと聞いていたが、好天もあって実際には汗ばむくらいの陽気だ。天候が荒れるとおちおち休憩もできないので、相当に辛いと聞く。なんせ疲れたら即、休憩する所存で登山に臨んでいる身である。まずはひと安心だ。何より陽気がいいと気持ちいい。


まさに抜けるような快晴

新六合目を過ぎると樹高が低くなり、視界が開けてくる。山頂もくっきり見えるが、それは同時に目指す頂きの高さが露わになるということだ。晴天はありがたいが、そこはぼやかしてもらった方が助かる。

友人から差し出されるバナナで鋭気を養う
あのてっぺんを目指します

山小屋はまさに富士山のオアシス
オアシスの水は高い

登山道の途中には食事やトイレ休憩、宿泊に利用できる山小屋がある。観光客が減る9月以降は店を閉める山小屋も多いようだが、この日はほとんど営業していた。

山小屋は六合目、七合目、八合目それぞれのスタート地点など、節目になる場所に建っている。登山者の励みになる有難い存在である。

それぞれの山小屋には独自色があって面白い。とくに七合目の太陽館は個性的だ。


御来光のおめでたさが否応なしに伝わる迫力
注意書きは漫☆画太郎先生調

荷造り用のひもで立体感をつけたメニュー看板
観光シーズンを終えた後も長く営業

御来光の喜びを全身で表わすおっさん、漫☆画太郎調の注意書き、荷造り用のひもで作ったうどんのディスプレイ。

富士山という厳粛な非日常にあって、我が道をゆくこのほのぼの感は凄すぎる。

疲労のピークでは胸やけするほどの濃厚さだが、七合目くらいの段階であれば何ら問題なく受け入れられる。面白い。

さらにほとんどの山小屋が営業を終えた10月の中旬まで営業しているところも商魂たくましい感じがして好感がもてる。

編集部の安藤さんが10月に登るかもしれないと言っていたので、その際にはぜひこちらに宿泊してもらいたいと思った。


太陽館の裏手には犬もいた。おそらく日本最高峰の飼い犬

これら山小屋にパワーをもらいつつひたすら歩を進めた。ゆっくり少しずつではあるが、歩んだ一歩は確実に山頂へとつながっているのだ。このシンプルな事実は、けっこう自分を奮い立たせた。

がんばれ、おれ

気づけば標高3270mの八合目に到達していた。登頂まで残りわずかである。

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