宮城県石巻市に、猫が神様として崇められ祀られているという島がある。猫が人口より多く、犬は飼ってはいけない決まりがある(猫が怖がるから)。 最初は「猫島かあ、いいなあ」と思ったけれど、調べてみると「化け猫様の祟り」などちょっとオカルトチックな資料が目に付いた。犬を飼うことが禁止されているなんて随分徹底している。ドラマ「TRICK」に出てくるようなおどろおどろしい島なんだろうか?
とりあえず、猫がわんさかいるとなったら行かないわけにはいかないのだった。
(ほそいあや)
宮城県に石巻港から定期船で40分。大泊港で下船すると海と山しかない風光明媚な景色だった。港には猫が一匹もいなかった。
この島では江戸時代後期に、化け猫が島中の犬をかみ殺したという伝説がある。目撃者によると、秋田犬より大きなトラ猫がのしのし歩いており、浜に置いてあった50kgもあるマグロを山の中に引っ張っていって食べていたという。なぜこんな化け猫が島に?という謎はあるが、それ以後は化け猫の機嫌を損ねないように島に犬を入れないようにしているらしい。
集落に着くと、やっと一匹の猫に会うことが出来た。 海風で白い部分が黄色くなっているのが漁師町の猫っぽくてよい。
家々の間の細い道を歩いていくと、思い思いの場所に猫がくつろいでいる。寝ていたり、立ち話していたり、歩いて来てすれ違ったりする。この島で猫のケンカは一度も見なかった。 そして、人間とすれ違う事のほうがずっと少なかった。人口より猫が多いのは本当のようだ。
田代島は猫だけでなく、海水浴や釣りやキャンプもできる。ただ、この日は8月の日曜だったが、島内には食堂も商店も営業している所はなかった。食べ物は本土から持って行くことをおすすめします。
こういう予備情報をなにも把握していなかった事から、猫というだけで飛んでいってしまった計画性のなさがバレバレである。
こんなかんじの田代島です。3時間もあれば島内一周できてしまいます。 ここから先は本当に猫しか出てきません。まったり読んでみてください。