吉野川沿いの国道32号線から県道に入った途端、風景は山岳地帯のそれと化した。道幅も狭く、若干小さいタイプのバスだから良いものの、普通サイズのバスなら立ち往生してもおかしくない場面も多々あった。
だがしかし、このあたりの道路は祖谷では相当マシな方。なぜならこの先にはかずら橋という祖谷最大の観光スポットがあるため(前述の、萩原さんが行った野猿近くのかずら橋とは別の所)、そこまでの道路はしっかり整備されているのだ。
そうこうしているうちに、バスはそのかずら橋付近に差し掛かった。すると突然、目の前に祖谷特有の斜面集落が広がった。そう、早速斜面集落が広がったのだが…… |