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ひらめきの月曜日
 
搾りたての油は驚くほどうまい!


メーカーにお願いしてデモ機をお借りしました。色々な種を搾っています。

搾りたての油はとてもうまい。そんな話を聞いたことがあります。牧場で味わう搾りたての牛乳。ビール工場で飲める出来たてのビール。搾りたて、出来たての物はフレッシュで味や香りが流通している物とは全く異なりとてもうまい。

しかし、そのような物を味わうためには遠い製造現場に行かなければなりません。油もしかり。油を作っている場所に行かねば搾りたてを味わうことはできません。

ところが、この搾りたての油を家庭レベルで味う事が出来る機械があることを知りました。これは試したい!

馬場 吉成



油は抽出法と圧搾法で取り出されます

ゴマや大豆などから油を取り出す方法には大きく分けて2つの方法があります。抽出法と圧搾法です。抽出法は、種に含まれる油を溶剤に溶かし出した後に加熱して溶剤だけを蒸発させる方法です。この方法を使うと種に含まれる油を効率良く取り出すことが出来るので広く用いられています。

もう1つの圧搾法は古くから用いられている方法で、種に高い圧力をかけて油を搾り出します。「玉締め搾り」などと呼ばれ、鉄釜や石臼に炒った種を入れ、その上から丸い石で圧力を加えてゆっくり油を搾ります。この方法では含まれている油の2、3割ぐらいしか取り出すことが出来ないので効率は悪いですが、高温にならず、他の物と混じる事も無いので油の風味が損なわれません。

今回は山口県にある株式会社サン精機様より「小型手動搾油機 K-15T」をお借りしました。少量の種を圧搾法で搾る手動式の装置です。これで風味の損なわれていない搾りたての油が味わえる!


梱包を解くとシンプルながら重厚な作りの装置出現。
まずは取り扱い説明書を熟読。期待が膨らむ。手動だから電源はない。

装置は幅220mm、奥行き320mm.、高さ400mm。小型の掃除機ぐらいの大きさでしょうか、しかし、重量は約35kg。かなり重い。


最初に分解して各部を洗浄。右側にあるオイルパン以外は圧力がかかるのでの厚みがあって重い。


箱からなんとか引き上げて、足をとりつけてテーブルの上へ。各部を外して洗浄してから使います。各部は簡単に外れてメンテナンス性が非常に高い。


洗浄後まずジャッキの上にオイルパンを取り付けまず。

シリンダーケースにシリンダを挿入。機械設計をやっていた身として機械の組み立てはドキドキします。


ストッパネジで一旦シリンダを固定。安全対策。

ジャッキの上にシリンダを取り付けます。慎重に。


スライドケースをはめます。

ストッパネジを外してシリンダバーを取り付けます。


最後にジャッキアップ用のアームを差し込んで装置が完成。こちらです。


機能美に溢れたシンプルなデザインが美しい!よく考えられた設計に感動します。


装置仕組みは、上部から種を入れてフタをしたらジャッキを動かして圧力をかけます。すると、シリンダケースの上部から搾られた油が出てシリンダーケースを伝ってオイルパンに溜まるようになっています。


ジャッキの力は15トン。これ3つでガンダム(43.4トン)が持ち上がる。


ちなみに、ジャッキによりかかる圧力は直径74mm、高さ60mmのスペースに対して15トン。かなりの圧力。実は、家にあるダンベル(全部で50kgぐらい)を使ってこの装置を逆にした様な物を作ろうかと考えたのですが、この数値を聞いて断念。全然足りません。しっかり搾るにはこのぐらいの圧力が要るのか・・・

 

とにかく搾ってみよう!

装置も組みあがり搾る準備は整いました。早速搾っていきましょう。まずは普通にゴマを搾りました。


直接装置に入れてもいいけど、こうしたフィルタ袋に入れたほうが搾りカスが回収しやすい。

ジャッキを押し下げ、スライドカバーを移動させて材料投入。


上フタを材料の上に乗せます。

スライドカバーを移動してシリンダ上部を閉じたら搾り準備完了。


およそ100gの白煎りゴマを装置にセットして搾り準備は完了。あとはレバーを上下させジャッキアップすれば油が出てくるはずです。


圧力がかかるにつれてレバーがかなり重くなる。動きが懐かしの「そんなの関係ねー」とやっているみたいです。


ジャッキが上がり徐々に圧力がかかってくるとレバーが重くなります。少し体重をかけるようにレバーを上下させ続けると、ゴマの弾ける音が聞こえてくる。そして、レバーが動かせないぐらいまで圧力が高まった時。ついにその瞬間がやってきました!


出た!油だ!


とうとうゴマ油がシリンダケースを伝って流れ始めました。部屋中に香ばしいゴマの香りが充満します!まるでゴマのお香をたいたようです。そんなもの無いか。いや、お香にして家に常備したいぐらい香ばしく良い香りなのです。

ゴマ油が出てくる瞬間を動画でどうぞ。


溢れ出る油。30秒ぐらいのところで出てきます。


一度ジャッキを上げて圧力をかけたらしばらく置きます。その後、ジャッキのリリースネジを緩めてジャッキ下げたら、再びレバーを上下させて圧力をかけ直します。こうしてゴマの香りに包まれながらこの作業を数回繰り返します。


とうとう油が瓶の中へ!1滴、1滴がとても貴重に思える。


そうこうしていると、オイルパンに油が溜まり採油口から垂れてきます。ポタポタとちょっとずつ。


ゆっくりと。でも確実に瓶へ溜まっていきます。


こうして、4回ほど加圧を繰り返した結果これだけの油が取れました。


小さな瓶に1cmぐらい。売っているゴマ油ぐらいの量を作るのにはどんだけの量のゴマがいるのやら。

 

味わってみよう!

瓶の底に1cmぐらい溜まったしょうか。大サジで3杯ぐらい有るかないか。本当に僅かです。色は透けた黄金色。触るとヌルッと油の感じはあるけれど、ベタベタというよりサラッとした触り心地。

舐めてみて驚きました。いつも使っているゴマ油とは全くの別物!香りがいいのは搾っている時点で確信がありました。口の中が新鮮なゴマの香りに満たされます。

ところが、香りだけではなく、その食感も全く違う。軽いのです!とても軽やかでしつこさが無い。アゴが軽くなるようなうまさ。そして、甘味のあるゴマの味がハッキリと感じられる!もはやゴマ油というよりゴマエキス。いや、ゴマ汁か!もう訳の分らないうまさ!


あまりの美味しさに興奮して文章に感嘆符連発です。オイルパンに残った油もパンでふき取り残さず舐める。


搾りたての油がうまいとは聞いていたけれども、ここまでうまいとは驚きです。今までこの味を知らなかった事が悔やまれるほどうまい。うまい、うまいの大安売りというぐらい、舐めながら何度もうまいといい続けていました。


本当にうまいのです。うっかり全部舐めてしまったのでもう一度搾る。


そして、この搾りたてゴマ油を料理に使ってみました。加熱するのはもったいないのでそのまま使います。我が家でよく作るネギ奴。絹ごし豆腐にゴマ油と醤油を1対1ぐらいでかけて刻んだ小ネギを散らしたら一味唐辛子をふりかけます。


豆腐にゴマ油をかけてネギを乗せたら醤油をかける。その後に一味唐辛子。ビールにも日本酒にもよ
く合います。


これがまた普段作るものと違って香りや味が異なります。香りとコクをつける為に使っているゴマ油なのですが、サラリとしていて香りも一段上。ゴマの甘味も加わります。ゴマ油を使ったというより、何か新しい調味料を使ったみたいでした。この調味料、家に常備しておきたい。いや、ゴマ油か。

ついでに搾りかすのゴマも食べてみました。


15トンの圧力をかけられたゴマは板状に固まる。

まだ少し油感はあるけどパサパサしています。


まだ少し油を感じるものの、かなりパサパサしています。食べるとゴマの味と繊維感が残っていて十分美味しいです。擦りゴマをサッパリさせたような雰囲気です。これは後日、ユカリやジャコと混ぜふりかけにしてみました。残すところ無し。

 

一台欲しい

搾りたての油は予想以上のうまさでした。搾った油はフタをキッチリ閉じて冷蔵庫に保管していましたが、数日もすると搾りたての時程の香りはなく、軽やかさも若干落ちていました。油は酸化しやすいので風味を保つのは難しいようです。

 今回使用した搾油機があれば食べたいときに搾りたてのうまい油が味わえます。是非一台欲しいと思ったのですが、この手動タイプで約16万円。また、小型とはいえかなりの重さなので、キッチンにちょっと置いて気軽に搾りたて油を!と言うには値段も重さも厳しいです。けど、欲しい。そのぐらいの価値ある味でした。

そして、今回せっかくお借りしたので、ゴマ油以外の普段味わったことの無い物も色々絞ってみました。以下に味や香りの特徴をまとめましたので、興味のある油がありました写真をクリックしてみてください。


取材協力

株式会社 サン精機
http://www.sanseiki.co.jp/


アーモンド カボチャ カシューナッツ
ヒマワリ エゴマ クルミ

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