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フェティッシュの火曜日
 
マタギの隠れ里

里の中を歩く


道に花がよく植わっているというのが楽園っぽい

かくれ里は楽園っぽい

トンネルで千と千尋を達成してもう肩の荷が下りた気がしたのでこの後は興味あった集落の中をぶらぶら歩く。

この季節のどかでよかった。道に花がよく植わってるなーと思ったらほっかりしたおばあちゃんがよちよち出てくるのだ。ああのどかすぎて腰がぬける。

ハナ…コレモハナ…とのどかサイボーグが集落を行く。


おばあちゃんがぽろぽろっといてあちら側感が増す

エッ!?唐突に水が飲めるの!(コップが置いてある)
ギャーッ!ゲートボール場!のどかハードコアに膝から崩れ落ちる

家は今の家

かつて隠れ里、といっても白川郷みたいな合掌造りの家があったりするわけではなくて、今っぽい家がならんでいる。

観光地でなくて今も生きた山間集落なんだなと、まままここでも一杯やってください。


茅葺きの屋根の家とかはない
ちなみに昭和50年頃はこんな感じ(同じ地点ではないけど)
(p.20 『日本発見5かくれ里』S54/10発行/暁教育図書)

稲刈りの奥にこじんまりとした根子神社(観音講を祀ってる)
比べて、山神社の方は大きく、豪華。マタギの里だから山の神様を祀る神社の方が立派。

めっちゃええ苔加減。『死ぬかと思った』体験として投稿したい。

ああお地蔵さんだよと思ったら
消火栓。(雪国仕様の納屋付きでした)

バキバキ音がしたその先ではさっきのトンネルから出てきた人たちが木を切っていた。この集落の本日のハイライト。

警察はないが消防はある

お地蔵さんかと思ったら消火栓。そういえばここを歩いて消防団の分室や半鐘はあったが交番や警察署はなかった。

平和。おそろしく平和である。

このままだと僕は「パトロールに行ってきます」と頭をパンにして空を飛びかねないがまだある。

これから行くのは「集落で唯一の商店」なのだ。くわっ、この響き。「大草原の小さな家」といい勝負できるくらいのビッグピース。まだ何も語ってないのに深イイ話というやつである。


根子唯一の店、西根商店。

唯一と思しきポスト。そっと盗み見るとはがき一通。その事実だけでもう感動して泣けてしまう。
店のおばあちゃんのカートがゴミ箱に。すいません、ここら辺はよくわかりません。

日用品と食料品。「ああ、必要なんだなあ…」と不必要な「だなあ…」付きの思いに包まれた。

この間ずっと感動して泣いている

店はおばあちゃんが一人でやっていた。お客さんは小さな女の子。さあ、書いてください。みなさん、これで小説を書いてください!

店で飲み物などを買い、帰りのトンネルを歩いて通るのが怖かったので(幅が狭いからあれ絶対怖いよ)タクシーも呼ぶことにした。

トンネル入ってからずっと携帯は通じないので唯一の公衆電話(どうも僕の涙腺は「唯一」に弱いらしい)を使い、電話帳を借りた。電話帳はしみじみ薄かった。


「〜の入口でお待ちしております」とけたたましいアナウンスが流れてきて何が始まるんだと思ったら魚屋さん。週二回くるらしいので今日の集落のハイライト。

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