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土曜ワイド工場
 
ネバーエンディング・カレー


ネーーバーーエンディング、カーーレーーー、あああ〜、あああ〜、あああ〜。

ここ2週間ほど、私の家にはずっとカレーがあった。
鍋を2個しか所有してないので、ひとつをカレーに占領させている状態は、かなりきついものがあった。
でも、やってみたかったんだ。
「作ったカレーを食べきらないで、継ぎ足し継ぎ足し、食べてみたら、どうなっちゃうんだろう」かと。
何日間やろうとか、決めていなかった。ノープラン。
ただ、毎食食べるとか、無理はしないことにした。
普通に生活する中で、忙しい時などに、普通に残りカレーを食べ続ける生活…。
変化していくカレーを味わう生活…。
それは、どんなに素敵な日々なんだろうか、と想像していた。
あああ〜、あああ〜、あああ〜…。

大塚 幸代



1日目、スタンダード

いつもはカレーというと、自己流・手羽のチキンカレーを作るのだが、今回一発目はスタンダードに、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、カレー用豚肉を使った、いわゆる「調理実習やキャンプのカレー」 を作った。
使ったルーは、ハウスこくまろカレー中辛 。こだわりは無く、たんに安かったからセレクト。
にんじんを多めに入れてしまったら、甘くなってしまった。でもこれはこれでイケる。誰がどんなふうに作っても、だいたい美味しい、カレールーって偉大だ。
1日目ならではのサッパリした、煮込んでない、溶かしっぱなしのルーの味が、ういういしい。
カレーを食べながらテレビを見ていたら、「秘密のケンミンSHOW」という番組で、「関西ではカレーといえば、牛肉カレーがスタンダード」というネタをやっていて、びっくりした。 そうなんすか? 関東出身者としては、家カレーは、豚オア鶏なので。

 

2日目、こなれてきた

2日目朝。昨夜から一晩寝かせたカレーを食べる。
このこなれた味がたまらない。あんなにテキトーに作ったのに、とりあえず寝かせると、それなりに美味しくなるのは何故だろう。魔法? 錯覚? カレーの神様のいたずら?
スパイスだって、比較的香りがとんでいるし、とくに具から味がしみ出しているわけでもないのに。
2日目のカレーって、「名残惜しさ」という要素が入っているのかもしれない。
でも、ここからが本番だ。2日目が美味しいのは当たり前だ。
2日目なんか、美味しくって当たり前だ。
男女交際も、2年が区切りになる、その先が問題だ、って言うし…(って、関係ないですね)。

4日目、和風にチェンジ

3日目は外出していたので、カレーは食べず、火入れしただけ。
4日目にして、改造開始だ。
悩んだのだが、「あんまり努力しないで、日常レベルで増やすカレー」がテーマかなと思ったので、
家にあった、知人から頂いた野菜を、ぶち込むことにした。
しかし、いわゆる家庭のカレーの具には、あんまり入れない野菜しかなかった。
茄子と、シシトウと、ピーマンと、大根…。
茄子やピーマンはともかく、大根って、イケるのか…?
考えて、昔食べたインドカレーに、大根が入っていたような記憶を思い出し、使うことにした。
そして、冷蔵庫に残っていた、あいびきひき肉も、炒めて入れた。
水を足して煮て、こくまろカレーを加える。和風なので、醤油も足してみる。
食べてみると……お、大根、合うのね! カレーがしみ込んで、いい感じ。
茄子も普通に美味しいし、これは成功であった。
そして、3食目くらいでは、まだまだカレーに飽きないのであった。

5日目、大失敗

 

大根が上手くいったので、「何の野菜を入れても、大丈夫じゃないの?」なんて思って、頂いた野菜のストックの中から、ゴーヤを選んで入れた。
あと、カレーの風味を復活させたくて、クミン、チリ、ターメリックも入れた。
これを煮たのだが…。
………うわ。
ここまで、味全体が、全てゴーヤの渋さ・苦さに支配されるとは思わなかった。
カレーのくせに、どこを食べても苦い! カレーにゴーヤが勝利している! ゴーヤにこんなに実力があるとは!
逃げ道のない味。ああ。ああああ。
たぶん、こういった夏野菜は、さっと炒めて、食べる直前に、出来上がったルーと混ぜるのが正解なんだろう。
失敗した…。
これも、一晩寝かせたら、ちょっとは状況は変わるのだろうか?

8日目

 

ゴーヤのあまりのパワーに負けて、食べる気が全く起きなくなり、2日間は火入れのみとした。
明けて8日目。味を改善するため、いつも作ってるカレーに近いものを足そうと、トマトピューレとたまねぎ、ジャガイモ、鶏肉を加える。
こくまろカレーが無くなったので、熟カレー中辛を足した。
寝かせたのが良かったのか、足したカレーの普通さが良かったのか、味はまあ、元の「普通のカレー」に戻った。
いや、正直に言えば普通というか、「普通よりやや下のカレー」になった。
こんな筈じゃなかった。続けるうちに、どんどん美味しくなる、っていうものだと、信じ込んでいたのに。
でも煮続けたら、なんとかなるのかなあ…、気持ちが落ち込んだ。
人に食べさせる予定はないけれど、人に食べさせられない、こんなカレー…。
食べさせられたら、ドン引きだ、このカレー…。


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