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ちしきの金曜日
 
糖衣錠の中身はどんな味か

記憶に残る苦味、アリナミン


ビタミンBの補給にアリナミン。錠剤が真っ黄色。


アリナミン、見るからに薬であることを主張するビビッドなイエローだ。子供の頃の僕、なんでこんなどう見ても危険な色のものを噛もうと考えたのだろう。あれから20余年経つが、今でもあの時の苦味が脳内にフラッシュバックすることすらある。
しかし恐れてばかりはいられない。僕はコイツと決着をつけなければならない。
とりあえず一粒、口に入れて舐めてみた。


甘い。


飴を舐めているかのように甘い。当たり前の話だけど、さすが糖衣錠だ。
本当にこいつを噛み砕いた先に、あの凶悪な味が待ち受けているのだろうか。もしかしたらあれは、幼さゆえの、夢と現実の混同だったのではないか。
ああもう、悩んでばかりいられない。僕は意を決して噛んでみた。


噛みます! 噛みました!


ん、これは……


ん、これは……


苦ッ! 苦ッ!
この世のものとは思えないくらい苦い!
苦味にさらに不快な酸味も加わって、まさにこの世の地獄が僕の舌の上で展開されている状態になった。
その上に薬臭い。効果の強い処方薬を飲んだ翌日のおしっこのような臭いさえする。味覚、嗅覚、両面から来る、すさまじい不味さ。
もちろん速攻で流しに向かいうがいをしたが、拭いきれない苦味が口の中に残る。噛んだ時に、奥歯の凹みにはさまった薬のかけらが強力な苦味を放出し続けている。歯ブラシでごしごしとしごいて、かけらを除いて、ようやく苦味が沈静化してきたが、それでもまだ苦味は残っている。不味い苦い不味い、緑茶とかの苦味からは対極にあるような感じの苦味。

口の中がひととおり落ち着いてから、アリナミンの味をグラフに表してみた。


とにかく苦かった。不味かった。苦かった。


ここで僕はもう一つの実験ルールを追加した。
3.うがいをした後は歯ブラシで、歯のすき間の薬までよく取り除く。
歯のすき間には、意外と薬が残ることがわかった。僕の健康のため、そして味覚のためにも、この過程は必要だ。

さて、最初からこれ以上のライバルは出ないんじゃないかと思わせる味を披露してしまったこの実験だが、せっかく買ってきたので、次も続けたい。次は「ルル」だ。


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