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フェティッシュの火曜日
 
巨大ザリガニ(ウチダザリガニ)を捕まえて食べたい


苦労の末のダブルピース。

数年前、ウチダザリガニと呼ばれるアメリカ原産の巨大ザリガニが、日本に帰化しているという話を知った。

こいつは食べてもおいしいザリガニらしいので、一度捕まえてみたいと思ったのだが、生息地が北海道と遠いので、さすがに縁がないものと思っていた。

だが最近また調べてみたら、なんと北海道だけではなく福島県にも生息範囲が広がってしまったらしい。福島なら道路を走っていればたどり着く場所なので、その存在を確認しにいってみた。

玉置 豊



雨の福島

9月12日午前6時、ウチダザリガニを求めて福島県の湖に到着。こういうのはやっぱり早い時間が勝負だろうと、気合を入れて早朝から来てみたのだが、高速道路を降りたあたりから雨が降ったりやんだり。ザリガニ釣りをするにはちょっと寒い天気である。

湖に着いたのはいいけれど、道路から降りて湖にたどり着く道がなかなかわからずに、30分以上ぐるぐると探し回って、ようやく岸辺にたどり着いた。


とても風光明美な湖でした。できれば晴れた日に来たかったけど。

出だしで少し躓いたけれど、ここまでくればもう捕まえたも同然。ちょっと探せばウチダザリガニとやらが見つかるだろうと気楽に考えていたのだが、そうは問屋が卸さない。


…見当たらない。

雨の中、一人で網を持って長靴履いて、ザブザブと湖を歩き回ったのだが、これが一匹も見つからない。

ウチダザリガニとはいえ、所詮ザリガニ。アメリカザリガニだったら今までに1000匹以上は捕まえているので、いけばすぐに見つかるぜと思ったらこのありさまである。

実はせっかくの人生初ウチダザリガニ捕りなので、事前に捕り方や捕れる場所を詳しく調べてしまっては、攻略本を読みながらドラクエ9をやるみたいなもの(やったけど)だろうと思って、捕まえた時の喜びの大きさを優先させ、湖の名前くらいしか確認してこなかったのだ。

「人生初の○○」をできるだけ楽しんで生きたいと考えだした年頃なのです。そしたらこれだ。

 

場所を変えてみた

どうやらここの場所は浅すぎてダメなようだ。寒いし。

ザリガニといったら網よりも、やはり釣りか。釣りができるくらい深い場所を探して、乗らなくていい有料道路に乗って後悔したりしながら、さらに1時間以上車で探し回る。

たどり着いたのはバス(車じゃなくて魚のほう)ボート用の桟橋近くの岩がゴツゴツとした岸辺で、ここなら水深があるので、ザリガニ釣りができそうだ。


すごい遠くにカッパを着て釣りをしている人がいて、勝手に親近感を覚える。彼がやっているのはバス釣りだが、外来種捕獲という広い括りでは同士である。

今日はまだ見ぬ強豪であるウチダザリガニを捕まえるために、いろいろな道具を揃えてきている。さらにはおいしく食べるために調理機材や食材も用意してきた。

まずは普通のザリガニ釣りと同じように、竿に糸を結んで、その先にイカを着けたもので挑戦。ちなみにイカはスルメではなく生イカ。最近のザリガニ釣りで、スルメよりも生イカが断然有利だったためだ。


イカは細く輪切りにすると使いやすいです。コネタ。

しばらく夏が続いていたので忘れていたけど、雨に濡れると寒いですね。

そして一時間が無駄に過ぎた。

 

テナガエビ釣りの方法でやってみる

どうもウチダザリガニは生イカが好きではないようである。

根本的にこの場所にウチダザリガニがいないという可能性も高いのだが、それを考え出すと、来る途中にあった温泉に入ってビールを飲みたくなるので、考えないようにする。

ウチダザリガニがいると信じるならば、悪いのは仕掛けと餌だろうということで、ザリガニ釣りの道具から、テナガエビ(川にいる手の長いエビ)釣りの道具にチェンジ。餌もミミズを使ってみることにした。


エビを釣るための針というものが、世の中にはあるのです。

テナガエビだったらここで絶対に釣れるというポイントに糸を垂らす。

しばらくして、ウキが沈んでビビビビビという衝撃が竿を持つ右手に伝わってきた。

なるほど、これがウチダザリガニの引きか。この強烈なパワーはテナガエビやザリガニとはレベルが違う。

外れないように慎重に引き上げると、そこには外来種ではあるけれど、ウチダザリガニではなくブルーギルがぶらさがっていた。おしいけど、バナナとマンゴーくらい違う。


そりゃザリガニやテナガエビと引きが違うはずだ。

そしてまた一時間が無駄に過ぎた。

 

やはりカニカゴだろうか

ここでこう釣りをしていても、どうにも釣れる気配がない。

当初の予定では、網や釣りでささっと20匹くらい手に入れて、ウチダザリガニのクリームパスタでおしゃれなランチを作ろうと思っていたのだが、ここで粘っても昼飯抜きになりそうだ。

できれば網ですくうか釣りあげるかしたかったのだが、奥の手であるカニカゴという、本来はカニを捕まえる仕掛けを沈めておいて、後で回収することにしよう。


餌はイカ丸ごと。これで捕れないようなら、もうこの湖にはいないのではないだろうか。

ちなみにこの仕掛け、お台場で上海蟹を捕まえるという似たような企画でも使ったもの。その時のリベンジである。カニの仇をザリガニでとるのだ。

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