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はっけんの水曜日
 
山梨のマチュピチュ、コモアしおつ

これが山梨のマチュピチュ、コモアしおつの玄関口だ!!


結論から言っちゃうと、普通の街でした。

エレベーターホールを出ると、いきなりコモアプラザという建物があり、中にはスーパー、パン屋、歯医者などが入っていた。つまり、普通の街の普通の駅前と同じだ。

言ってみればごく普通の街だった。では、どれくらい普通だったかを見てもらっちゃおうかな。


積水ハウスっぽい家が多い気がする。

普通に住宅街、コモアしおつ

ここは普通の住宅街で、ヘーベルハウスっぽい家がたくさん建っていた。街には「建築協定」という決まりがあり、それを破って勝手な家を建てることは出来ないらしい。

だからもし梅図先生がここに紅白ハウスを立てようとしたら全力で阻止されてしまうにちがいない。いや、世田谷でも拒否されてたけど。

そういう協定があるからだろうか、どの家も似たような作りになっている場合が多い。そうやって雰囲気を統一して街の価値を高めよう、という事なのだろう。


ここは電柱が無いエリア。無い通りに面した方が高いのかしら、なんて下世話なことを考えてしまう。
まだ空いてる土地もあるので、もし変わった土地に住んでみたい方は検討してみるのもいいんじゃないでしょうか?人を呼んで、いきなりコモアブリッジに連れて行ったらウケると思う。

結構大きい小学校。少なくとも、僕が通った小湊小よりは大きい。

小学校もあるよ

街の南東、地図で言う右下辺りには小学校がある。逆に言うと、中学校はないので中学生になったら下界の学校に通うことになるのだろう。

「お前、下界?マチュピチュ?」

なんていう風に住んでる場所を表現したりするのかもしれない。校庭では数人の子供がサッカーをして遊んでいた。


校庭、広いなぁ。
サッカーをする子供達。やっぱ野球よりサッカーですかね。

全体的にチンコみたいな形の街だ(赤い線)。コモアプラザの下には小さなチンコが生えている(赤い丸の中)。

お待たせしました、地図をゲットです

正直、これを最初に載せろよ、って感じですが。

左の写真がここ、コモアしおつの地図だ。スタートの指先がエレベーターホール。そのすぐ上にコモアプラザ。上に書いた小学校は右下にある。

コモアしおつは一丁目〜四丁目の四ブロックに分かれていて、それぞれにノースコム、サウスコム、センターコム、ウエストコムの四つの集会所がある。

その4つは勢力争いを繰り広げ、時には血で血を洗う、ウソです。きっとそれぞれ仲良く近所付き合いをしているのだろう。

街の中央を東西に横切る歩道には、東から「石の公園」、「時計の公園」、「風の公園」という三つの公園が並んでいる。


時計の公園へ向かう案内板。テントウムシが可愛い。
これが時計の公園だ。っていうか、普通、公園には時計があるので、つまり普通の公園だ。

奥にある巨石が石の公園のシンボル。遊具は右に見える滑り台のみ。最近の公園は遊具が少なくてつまんないね。

石の公園はこんなだ

時計の公園は普通の公園だった。では石の公園はと言うと、やっぱり普通だった。ライターとして「ふつう」とはあまり書きたくないのだが、それ以外の言葉がなかなか出てこない。もし僕が村上春樹だったとしてもやっぱり、普通って書くに違いない。

「ぼくは太さが1.8mmのパスタを茹でながら、このあいだ行った公園の事を思い出していた。それは普通という言葉以外ではなかなか表しにくい本当に普通の公園だったんだ。その公園が普通になったのは、それほど前の事じゃない。それくらいに普通だったんだ。でもね、いいかい、僕はその公園の普通さとミッシェル・ポルナレフのどちらが好きかと聞かれたら、普通の公園と答えるのに違いないんだ。僕の言いたいことはこういう事だ。一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。「僕は・普通の公園が・好きだ」。もしあと10年経って、デイリーポータルZやコネタ城の事を覚えていたら、今僕が言ったことを思いだして欲しい。時間を計らずに適当に茹でいているパスタがアルデンテであるのと同じような気持ちで、僕はそれを願うよ」

それくらい、普通。


きっとこの上で儀式をやるんだろう。生きた人の心臓を取り出したり。
公園の隅にはトーテムポールが。これも儀式に使うのだろうか。

このオブジェがおそらく、風。

そして風の公園

風の公園は一番よくわからない。時計の公園には時計があったし、石の公園には石があった。風の公園には風が吹いていた、では納得できない。

しかし、公園の中央になにやら風で動きそう、もしくは風をイメージしたっぽいオブジェが立っていた。おお、これが風なのかも!と思ったら断然風に思えてきた。

公園には多くの子供達がいた。小学校の校庭よりも、石や時計の公園よりも多くの子供達がいた。きっと風の公園だからで、子供は風の子だから。

上手いこと書けたつもりだ。悪いか。


他には特に撮るべきものが無かったので2枚載せちゃう。
子供達はキックベースしたり、スーパーのカートを改造して遊んだりしてた。東京の公園では考えられない自由さ。

最果て階段。向こう側は崖と呼んでもいい急階段がある。

最果てには急な階段があった

上に載せた地図の左上に書いてある「最果て階段」という文字。その名前は僕が勝手に付けたのだが、その名前に相応しい階段があった。

街の最果てに階段があり、急角度で下界に繋がっていた。コモアしおつは下界と三箇所で繋がっている。一つは最初から書いているコモアブリッジ。そして、小学校の辺りに出る車道。そして、街の西側に出る車道。

この階段は、西側の車道の途中と繋がっているようだ。だからなんだ、っていう話だが、急な階段になんだかキュンと来たので載せてみた。多分この階段の事をインターネットに載せたのは後にも先にも僕だけだろう。


登るのが嫌なので、当然降りなかった。
街の北側にはどこまでも青い山が続く。

コモアブリッジの事が気になって調べに来た夫婦。

大体これで紹介は終わりだ

ここまで引っ張ってきたが、大体こんなもんだ。そろそろ帰ろう、と思って最初のエレベーターホールに来たら登山の恰好をした夫婦がいた。聞いていると、山登りに行くたびに、「あのチューブはなんだろう?」と気になっていたので、今回は電車を途中で降りて見に来たのだという。

そうだよね、みんな気になってたよね。僕もそうですよ。

色々気になっていたことが判ってよかったなぁ、なんて思いながら帰りのエレベーターに乗った。その途中、チューブの横に、歩いて登れる通路があることに気付いた。チューブを近くから大迫力で撮影できそうだ。

という事で、最後にチューブ近影をいくつか載せて、この記事を終わりにしたいと思います。最後まで読んでくれてありがとうございます。


チューブを見上げて、右にある神社の奥から登れます。
階段を登るとチューブが見えてきますよ。

 

近くから見ると恰好いい


この雑多な緑と、整然と並ぶ格子状の骨組み、ガラスがたまんない。

この趣は、田舎の路線を走るローカル線に通じるものがある。雑な緑に囲まれた人工物ってのが良い。しかもこれは巨大。大自然を征服したかのような威厳が漂っている。頼もしい。


どんな風に撮っても格好良い。立派だ!立派だよ!!

普段、人が歩かないメンテナンス用の通路がまた良い。必要な最低限の手すりだけが付いているユーザービリティの低さは、無骨さを表す。しびれる。


裏側と基部もまた良い。どっしりしたコンクリートの塊に萌える。

コモアブリッジが攻めだとしたら、コモアしおつは受け、だろうか。逆と言うことは無いだろう。だって、基部がこんなに頼もしくできているのだから。

まとめでーす

長年の疑問が解決してよかった。

  • 謎のチューブは「コモアブリッジ」というエレベーター
  • 上には「コモアしおつ」という住宅街がある
  • 「コモアしおつ」は普通の住宅街だった
はい、またまたコモアしおつを対岸の山から見た写真。びっしり家が建ってます。

同じように 悩んでいた人には答えを提示出来てよかったと思う。コモアしおつの人には、勝手に疑問に思って勝手に調べて、勝手に普通普通言って申し訳ないと思う。家を買うお金があって、ネットだけで仕事出来るようになれば住んでみたいなぁなんて思いました。

だって、コモアブリッジが格好良いから!


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