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ロマンの木曜日
 
サイダーでお茶を割ったら はい、チャイダー

瓶のチャイダーは味が違う

でもやっぱりチャイダーがいいなとお茶とサイダーを混ぜ合わせる。


お茶とサイダーを合わせると一気に香りがたつ。


うおぉ。びっくりするほど香りが広がる。淹れたてよりも広がる香り。ダジャレから始まった出会いがお互いの長所を引き立て合う。

店長「常温だとまた味が違うでしょう。その違いもあるんで作るのが難しんですわ」

常温だと香りと苦みが際立つように感じた。スッキリ飲むなら冷やして、味わいを楽しむなら常温だろうか。

店長「瓶でもつくり始めたんですが、味見の時が常温やって苦味が強かったけぇ押さえてもろたんです。したら出来たのを冷やして飲んだら香りが弱くて」

僕「瓶のものは味が違うんですか」

店長「既に出来とるけぇ瓶に詰めるくらい簡単じゃろうと思うとったんですけど製法が違うけぇ難しゅうてね」


カープチャイダーは甘さが強め。


そうと聞いたら飲むしかない。瓶詰めされたカープチャイダーをいただく。甘さが強くて苦みが少ない。さっきのはお茶が主役だったがこっちはサイダーが主役に感じる。

店長「瓶の方も同じ味わいになるよう調整していってます」

 

完成前から広告してた

店長「そうやって急いで作ってたんも理由がありまして完成前から広告しとったんですよ」

僕「完成前から広告?どういうことですか」


偽チャイダー。中身はただのサイダー。


店長「出来とりもせんのに緑の瓶にサイダーを入れてシールを張ったものを作ってメディアに流したんです。そしたら仕入れたいって問い合わせが何件も」

僕「出来てもないのに!」

店長「出来とりもせんのに!作りますからちょっと待ってくださいって言いながら作ってました」

出来てもない商品を売り込んだり飲んだ事もないものを売り出すことを決める行動力がものすごい。

 

観光客だけでなく、地元の人にも愛される

店長「今の時代なんかやっとったら安泰ってことは無いんで思いついた事、出来ることなら何でもします。家の電球変えて言われたら喜んで変えますよ」


チャイダーの作り方を指南したポストカード


店では雑貨も扱ってるが、そのほとんどがオリジナル。僕がチャイダーを飲んでる間にも地元の人が商品を納入していった。

面白いことがしたい、地元を盛り上げたい。そんな気持ちが伝わってか尾道名物となり、観光客が多くなった今でも地元の方がここに足を運ぶ。


趣味はピアノ、琴、三味線、ギター、長唄。歴史も好き。


このお母さんもその一人。75歳になった今でもお店に通う。店長の人柄のせいかアットホームな雰囲気で、お客さん同士も会話が弾む。

お母さん「あんたどっから来たんじゃ?大阪。へぇ、チャイダー人気じゃねぇ。じゃあ、ココナッツミルク頂戴」

あ、チャイダーじゃないんだ。と思いつつ、お母さんと一緒にお茶を飲む。

お母さん「ところで、ココナッツミルクってなんじゃ?」

あ、わからずに注文したんだ。と思いつつ、お母さんの歌を聞く。小さな店内に森繁久弥の知床旅情が響き渡る。

名前に惹かれて飲みたいと思ったチャイダーだが、それもそのはず、作った人もそうだった。そしてそれが美味かった。面白くてうまい。何とも素敵なことじゃないか。今では通販でも買えるようになったが、瓶と店で飲むチャイダーは味が違うし、店内の雰囲気を味わい、他の人と話しながら飲むとまた格別。是非とも尾道で味わってほしい飲み物だ。

これにならって僕も何か作ろうか。ライターがサイダー飲んでライダー。

どうしていいか分からない。

何かすっごい機械もいっぱいあった。尾道凄いぞ。


チャイサロンドラゴン
住所 : 広島県尾道市土堂1-9-14
TEL : (0848)-24-9889
営業時間 : 10:00〜19:00
https://www.atelierdragon.com/

ダジャレ、サイダーと来たら当サイト編集部工藤さんの独壇場じゃないかと思われる方もいるでしょう。なので工藤さんにチャイダーを送っておいた。サイダー部の更新を楽しみにしておこう。


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