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ひらめきの月曜日
 
農産物直売所でハイテンション


 

知らない町に出かけたとき、道沿いに見かけるとつい立ち寄ってしまう場所がある。農産物直売所だ。

普通のスーパーの野菜売場が特別好きだというわけではない。それでも、農産物直売所と聞くとなぜだか入ってみたくなる。それはきっと、直売所には独特の魅力があるからだと思う。 そう言えば農産物直売所に入ると、いつも気分が高揚する。他のお客さんもなんとなくエキサイティングになってはいないだろうか。農産物でハイテンション。どうしてそういうことになるのか、実際の様子を見ながら考えてみたい。

小野法師丸



ハイテンション1:知らない野菜がある

野菜という日常的で比較的地味にも思える品物を取り扱っているにも関わらず、どういうわけだかテンションが上がる農産物直売所。その謎を考えてみたいわけだが、その理由はまず扱っている品物自体に特徴があることだろう。


「ししとう」はともかく、「あまとう」は初耳

「ししとう」の方はスーパーでも普通に売っているが、「あまとう」は個人的には初めて見た。見た目はほとんど同じだが、辛いイメージのある「ししとう」に対して、「あまとう」の方はその名の通り甘い味なのだと思う。

これは地味な違いだが、もっとはっきりとした未知のものにもしばしば出会う。


「山なんとか」シリーズでも異彩を放つ「山くらげ」
スティックセニョール(言い過ぎ)

「山ぶどう」や「山ごぼう」は聞いたことがあるが、「山くらげ」はちょっと珍しい。「山」という言葉と海産物であるクラゲとが合体しているわけだ。名付けルールとしては「オカヒジキ」と同じということになるだろう。

対して「スティックセニョール」はかなりの異国情緒。陽気な感じのする野菜だ。

さらに見た目からして謎めいたものもある。


腐りかけた木のようにも見えるこれは…
超高級キノコ

食べ物ではないような雰囲気を漂わせる茶色いかたまりの正体は、「カバノアナタケ」というキノコだった。しかもかなりの高級品。買いはしないが、見てるだけでテンションが上がる。

いずれも普通のスーパーではあまり見かけないもの。一定以上の規模が必要な小売り流通には乗せられないけれども、直売所なら農家が少量だけ栽培しているものも並べやすいということなのだろう。 

ハイテンション2:知ってる野菜もすごいことになってる

これまで紹介してきたのは普段は見かけない野菜なので、その珍しさからテンションが上がることにつながるというのはわかりやすい。しかしそうではなく、知ってる野菜がえらいことになっていて興奮する、というパターンも直売所ではしばしばある。


自信満々のナメコ
普通のシイタケの横にあるのは…

左の写真、ナメコというだけならば普通のキノコだが、これは「万能なめこ」を名乗っている。万能ネギなら聞いたことがあるが、ナメコに万能という組み合わせは新鮮。いろんな調理法でおいしく食べられるというくらいの意味だろうが、「万能」という響きはそういう意味を超えてアピールしてくる。

右の写真はよくあるシイタケだが、奥にある袋がちょっと違っているのがわかるだろうか。


すごい量のちびシイタケ
ソテーにしたら「きのこの山」っぽくなった

間引いたものなのか、ちびっちゃいシイタケがいっぱい袋詰めになって置かれていた。決してスーパーでは見られないものだが、こういうのを買うのが直売所ならではの醍醐味。家でソテーしてみたら、お菓子の「きのこの山」のようになってかわいさがさらにアップだ。


たぶんカボチャなんだと思う

こちらはおそらくカボチャと思われる野菜。大きなキュウリのような、ヘチマのような見た目となっていて、それをカボチャだと認識するのに少し時間がかかるが、カボチャで合っているんだと思う。こういう状況になる特徴の品種なのだろうか。


ご神体的な置物かと思った
油で炒めたり、天ぷらにしたり…たいへんだ!

カボチャと言えば、直売所でときどき見かけるのがこのカボチャ。どうやら「バターナッツ」という種類のものらしいが、初めてこのカボチャが屹立するように置かれているのを見たときはギョッとした。

固くて長く、りりしい姿。それでいて、それぞれ微妙に形が異なっていて個性がある。見る者の心を写す鏡のようなカボチャである。


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