キレイに固まりました
寒天が固まったまま食べられる = 冷たいまま食べてもおいしい料理、ということが言えはずである。そこで、まず一発目に取り上げたのがぞうすいだ。
鍋に残って汁を吸いまくったぞうすいを、翌朝冷えたまま食べるのが好きなのだ。あれは妙にうまい。行儀の悪いシチュエーションに似合うタイプのうまさと言えるだろうが、好きなんだからしょうがない。
見事なまでにカッチリ固まったぞうすいを、食べやすい大きさにカットする。
いざ試食といこう。
ぞうすい寒天は箸でブスリと刺しても崩れない。口の中でホロリと崩れる、なんてこともない。かなりしっかりした固形の食べ物となった。
味は、冷えたぞうすい以上でも以下でもない。
おかしい。固めたからといって途端にマズくなるはずなどないのに、この違和感は一体なんなのだろう。しかも好きな食べ物のはずなのに、心がまったく躍らない。
まぁ、本来ぞうすいはアツアツを食べるものだし、私が好きな冷えぞうすいは、台所で立ったまま鍋にスプーンを突っ込んで食べるというシチュエーション込みな部分もある。
ならば、次は「冷たくて当たり前」な食べ物を固めてみよう。それで評価を下そうではないか。
これなら文句はあるまい
まずは蕎麦を茹でるところから始めよう。そして、めんつゆに寒天を煮溶かそう。
蕎麦は、冷たくして食べる麺類の代表と言っていいだろう。そうめんも同様ではあるが、こちらは「水筒にめんつゆを入れて会社に持参」というお弁当パターンが市民権を得つつある。ならばここは迷わず蕎麦だ。
ちなみに寒天王国・秋田では、稲庭うどんを寒天で固めたものが存在するという。(当然これもお茶うけであり、つゆは入れないらしい)
蕎麦寒天もぞうすいと同様、タッパーからキレイにツルンと出てくれた。
うん、なかなかに見事じゃないか。どことなく煮こごりっぽくはあるが、あれがおかずにしかならないのに比べ、蕎麦なら立派に主食として成立する。うん、これはイケルはずだ。
さっそく切り分けたら、弁当箱に詰めてみよう。そして味見といこうではないか。