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フェティッシュの火曜日
 
カジカ酒を飲みたい

石の隙間に餌を入れて釣る

カジカが潜んでいるのは、石と石との狭い隙間。川をジャブジャブと歩いて、カジカの住み心地がよさそうな穴を見つけたら、そこに竿先を突っ込んで餌のイクラを送り込む。

普通の魚はこういうことをするとすぐ逃げちゃうのだが、カジカの場合は、細かいことは気にせずに、パックンチョと餌に食いついてくるらしい。

どうやらカジカというやつは、うまい話にすぐ飛びついて痛い目にあうタイプのようである。実際、痛い目にあう訳なのだが。


こういう隙間に餌を入れると、食いついてくるらしいです。

なるほど、先日カジカを狙った場所は川の石が小さすぎて、こういう狙うべき穴がほとんどなかったのが敗因だったことがよくわかった。

その点、この川は大きな石がごろごろしており、三歩も歩けば次の穴が見つかる。カジカを狙える穴に俺の竿を入れ放題のパラダイス。素晴らしい。


前回の様子。狙うべき穴が見当たらない。竿が木の棒だったことが敗因ではないはず。

さあ、あとはこの穴に本当にカジカがいるのか、である。

 

すぐにカジカが釣れた

流れの速い川だと、水面が常に揺らいでいるので水中の様子が見えづらいだろうと思い、家にあった箱メガネを持ってきたのだが、これが正解だった。

普通に見たのでは光が反射してしまって、川底の様子がよくわからないのだが、箱メガネを使うことで水中の穴までばっちりと丸見え。ただ体勢的に腰がものすごい疲れるけど。

前回やったときはカジカが一匹も釣れなかったので、そう簡単には釣れないだろうと自分の気持ちにブレーキをかけながら、一つ二つと穴を渡り歩く。


流れがあるから、穴の奥に餌のイクラを入れるのがなかなか難しくてイライラする。でもそこがいい。それにしても、この体勢はかなり腰にきついです。

そして三つ目の穴でググッときた。ちょっと小さいが早くも一匹目のカジカを釣りあげたのだ。やるじゃないか鬼怒川。


リリースサイズでも一匹目というのはうれしいものなのです。

箱メガネ越しに見ながらの釣りなので、餌に食いつくカジカの姿が見えて大興奮である。今実際に目の前で起きていることなのだが、モニター越しに見ているドキュメンタリー映像のようだ。

シンプルな仕掛けを通してダイレクトに伝わってくる、カジカの引きがまた気持ちいい。

おれ、この釣り、好きだわ。

 

動画撮影に挑戦だ

鬼怒川はなかなかカジカの魚影が濃いようで、ここだと睨んだよさそうな穴には、だいたい狙った通りカジカが潜んでいてくれる。これを子供のころの自分にやらせてあげたい。絶対転ぶだろうけれど。

穴を探す。竿を入れる。カジカが釣れる。この一連の繰り返しにもう夢中である。腰の痛みも忘れて没頭してしまった。カジカだけにゴリ夢中。

この楽しさを映像で見せたくて、動画撮影に挑戦してみた。


ダイナミックな水中撮影に成功しました。

00:00 餌を石の隙間に送り込む

00:08 石の蔭からカジカが出てきた!

00:11 でも食わない…

00:14 二度目で掛った!

00:20 たのしー


さてこのかっこいい動画、どうやって撮ったのかというと、箱メガネの中に防水のデジカメをレンズを下にして置き、動画を撮影。その様子を液晶モニターで見ながら釣った映像なのだ。この方法を玉置メソッドと呼んでほしい。あまり使い道はないけれど。

予想以上にポンポンと簡単にカジカが釣れたのでこの動画撮影に挑戦してみたのだが、撮影しようとした時に限ってなかなか釣れず、デジカメのバッテリーがほぼなくなったタイミングでこの大物の撮影に成功したところを褒めてもらいたい。

なぜ褒めてほしいかというと、今回は一人で釣りにいったので、ちょっと寂しかったのだ。やっぱりこういう遊びは、喜びを共有したいものなのです。


なかなか頑固そうな顔つきである。この顔ならかなりダシが効いたカジカ酒が呑めそうだ。

4時間ほど夢中になってカジカを釣ったところで、いい加減腰が痛くなり、濡れた手もカジカんできたので終了とした。

小さいのはすべてすぐリリースしたが、それでも20匹くらいは残ったので、晩酌には十分な量である。狙った魚が狙い通り釣れたことに、自分自身が驚いている。


うまい人は何百匹も釣るらしいけれど、私はこれで十分幸せになれました。

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