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土曜ワイド工場
 
すごすぎる日本酒フェス@広島(後編)

しかし気が付いたら、うどんを食っていた。


亀齢酒蔵が作っている、オリジナルのうどんらしい。

これが妙に美味しかった! 麺が細めなのに、コシがキュッキュとある…。中に日本酒が練り込まれているのだという。
広島新名物になるのでは!? と興奮しながらずるずるー、ずるずるー、と食べる。
Fがやって来て「あっ、それ食う!」と買いに走る。
「お、おいしいじゃんコレ!」
「広島って、うどん美味しかったっけ?」
「いや、そんなの聞いたことないなあ。ココだけじゃないの? なんか、目の前で製麺してるし」
「ほんとだ、うってるねえ。うどんマニアの人が、酒蔵にいるのかなあ…」
日本酒以外のおいしいものを、偶然発見してしまった。


酒蔵では、スイーツやカレーなど、チャレンジングなメニューも売っていた。

Tシャツも多数。超かっこいい。これだけがっつり漢字が入ってると、外国人にウケる、というのは分かる気がする。

この写真を撮った時の記憶があんまりないのだが(失敬)、酒蔵の見学出来るゾーンと、道に迷って歩いた時の田園風景、だと思う。っていうか何であんなに分かりやすいメインストリートを、迷ってしまったのかが分からない。謎だ。稲が美しかったからいいのだけれど。

とにかく飲んだ。限定酒も格安で試飲した。

ふと携帯が鳴った。
「広島の酒まつりに行く」と家族に言ってあったのだが、いつもオミヤゲなんか要求しない兄から、「酒、送れ」という指令のメールが。酒飲みだから…。
亀齢の限定酒を2本選んで、宅急便コーナーへ行く。酔った手先をブルブルさせながら、住所を書く。みんな酒が好きだなあ、でも酒を送るのってなぜかいい気分だなあ、と思いながら。

 

酒蔵をひととおりめぐり、なぜか売っていたモンゴル馬乳酒も2杯飲み、もう飲めない、ヤバイ、帰ろうとしたら、Fが「おしっこ!」と叫んで、どこぞに消えていった。
……ちっとも帰ってこないので、実行委員会本部の物販ブースで、Tシャツを見ていた。むむむ、行きの時には見かけたピンク色のTシャツが無い。ちょっと欲しかったのに。
「ピンク、もう在庫ないんですか?」と訊くと、
「そうなのよ〜、なぜか売り切れちゃってねえ」との返事。「ピンクって人気ないかと思って、あんまり作らなかったのよ〜」
「ここ数年、ピンク色のTシャツって流行りですよ〜」と言うと、「あら、若い人の意見は貴重だわ、参考にしなくちゃね〜ホホホ!」と言われた。いや、さほど若くはないんですけど。
仕方なく紺色のものを買った。SAKE MATSURI と書いてあるTシャツ。シブイ。
「今年の人出ってどうですか?」とも訊いてみた。
「そうね、人数は増えてるわね。でも、呉とか広島とか、近郊の人が増えたって感じで、遠くから来てくれてた人は減ってるみたい。外国人観光客も少なくなったわねえ」だそうだ。
今年は、どこのどんなフェスでも、そんな話をきく。モロ、不況の影響だ。

 

その後、なんとかFと合流し、満足感いっぱいで、宿のとってある広島駅まで、運よく座って帰れたわけなんだが。

正直に言うと。
飲み過ぎでぶったおれたことは、「会社員の時の社員旅行で、社長に『わんこウイスキー』を無理矢理飲まされた時」以外、ない。ウイスキーだけが体質にあんまり合わないらしいのだ。
他、ウォッカ、テキーラ、焼酎、ビール、なんでもござれで、自慢出来ることではないが、「12時間連続飲み会」なんてのも、何百回も経験がある。
なのに、寄る年波のせいなのか、この夏にホットヨガなんぞを始めてデトックスをしてしまったせいなのか……。
肝臓、撃沈……。
酔っている間は良かったのだが、宿でバッタリ、記憶を失った。
Fによると「変ないびきをかきながら、2時間、昏倒してた」らしい。
その後、オレンジジュースが欲しくなり、コンビニに走って、オレンジジュースを馬鹿みたいに買って、飲んだ。何故にオレンジジュースなのか、自分でも分からない。日本酒の飲み過ぎに効くのか?

午後8時頃になんとか復活し、夕食は、「900種試飲の広場」でからんできた人に教えてもらった、「安くて美味しいフグ屋さん」に行ってみた。下関直送のフグであった。さばきたての身は神経が生きていて、切り身のくせにプルプル動いた。おお新鮮、でも食べるよゴメンネ、と思いながら鍋に投入。
もうお酒が飲める状態ではなかったので、やはりオレンジジュースをオーダーした。広島まで行って、下関のフグ食って、オレンジジュースを飲む……って、いま考えると「何やってんだ」って感じではある。でもそこのフグは安くておいしく、観光居酒屋でボラれるよりも、ずっと居心地が良かった。からんできた女性に感謝、だ。

フグを食べながら、Fと反省会。
「あんなものすごいフェス……、下準備が必要だったね」
「いや、でもさあ、サイトにはそんなに詳しく情報が載ってなかったじゃん、900種試飲出来るなんて…」
「しかも、当日まで、パンフレットが貰えないから、どれ飲もうかとか、事前準備出来ないよね」
「でも、あれだけ別の品種を飲む機会ってそうそう無いから、自分が『あ、純米より大吟醸が好き』とか分かって、良かったかなあ」
「そうそう、たくさん飲みたおすと、好みの傾向は分かったねえ。ああいうフェス、東京でもやってくれないかなあ、代々木公園でとか」
「東京でやったら大混乱だと思うよー、チケットも即完売だろうし。そもそも1300円で1日中飲み放題ってのはムリだな」
「試飲会自体は、いろんなところでやってるんだよねえ。でも、ひらかれた、街ぐるみのお祭りとしてやるところは、あんまりないよね」
「広島の酒の町、だからこそ出来るんだよなあ」
「そうね。……しかし、発泡してる若い酒って美味しいよなあ」
「また度数が高いよね、飲みやすいくせに」
「ポン酒試飲は、ちょっとづつ飲んでいくうちにグロッキーになる、って本当だったなあ」
「あと大人数で来たほうが良かったんじゃない。ちゃんとレジャーシートひいてさ」
「試飲し放題のところに一日いたら、死んじゃうと思うけどねえ。日本酒飲んで、日光浴びて…。あー、あと、フェスTシャツは、買おうと思った時に買わないと駄目だねえ。欲しい種類が無くなっちゃう」
「あとやっぱり、ウコンって効くわ」
「ウコンは大事だよ」

「私も飲んでおけば良かった。甘くみていたよ、酒まつりを!」

来年も、可能ならば来よう、
飲んべえの知人たちを誘って行こう、という結論となった。
日本酒好きなら絶対行くべきだ、あのクレイジーなお祭りに…!!

そして私は、ウコンの大切さを覚えた。

美味しい日本酒たちと出会えて感激だった。
でも、飲みやすい日本酒ほど、飲み過ぎるからヤバイ。今後気をつけよう。

翌日、私たちは後ろ髪引かれながら、広島を後にした。
そのあと、上京する四国在住の友人と合流して、当サイトでも紹介していた魅惑のメニュー、岡山の「カキオコ」を食べに行ったのだが、たまたま大ハズレの店に入ってしまい、全員無言になってしまって、最後の最後で楽しい旅が台無しになった……というのは、また別の話なので、ここに詳細は書かない。


酒まつり・酒蔵通り@吟醸酒のふる里・東広島
https://sakematsuri.com/
毎年10月、JR西条駅周辺・酒蔵通りで開催。

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